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有給休暇を取れる親、取れない親。キッズウイークが意味を成さない3つの理由

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Photo by Seth Stoll from Flickr

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先月政府が公表した「キッズウイーク」構想が、波紋を広げています。

「キッズウイーク」導入を=安倍首相「親子の時間必要」-教育再生会議
政府の教育再生実行会議(座長・鎌田薫早稲田大総長)は24日、首相官邸で会合を開き、安倍晋三首相は夏休みなどの長期休暇を地域ごとに分散させる取り組み「キッズウイーク」を導入する考えを表明した。(中略)キッズウイークは、夏休みなどから5日間を他の時期に移し、前後の土曜、日曜と合わせて9連休とすることなどを想定。親子で過ごす時間に充ててもらい、観光需要の分散化や地域活性化につなげる狙いがある。(2017年5月24日 時事通信社)

キッズウイークは、小中高の夏休みを5日間短縮して、他の時期の休暇に充て、前後の土日と合わせて9連休となることを想定しているそうですが(公立校は義務化を目指し、私立校には協力を求める予定とのこと)、いわゆる「国民の祝日」とは違います。休みになるのはあくまで「その地域の学校のみ」。地域ごとに時期は異なるようです。そういえば民主党政権の頃にも、大型連休を地域で分ける「休暇分散化」構想がありましたけど、頓挫しましたよね。

政府が説明するキッズウイークの狙いは、家族一緒に過ごす期間を増やす、観光需要の分散および混雑回避、地域活性化、といったところ。常日頃より家族、家族、家族とうるさい安倍内閣がいかにもやりそうなことで、524日の教育再生実行会議の場でも安倍総理は、キッズウイークについて「家庭や地域の教育力を高めるためには、特に大人が子供と向き合う時間を確保することが必要」とコメントしています。筆者的には、大人(親)が子供と向き合わなくていい時間を確保することの必要性も認めてもらいたい……なんて。

また、キッズウイークは「休み方改革」の一環でもあり、政府は近日開かれる「休み方改革」の官民推進会議でも、来年度の有給取得「3日増」を目指すよう企業に働きかけ、実際に増えた企業には助成する仕組みも検討する意向だそうです。キッズウイークが本格導入されると、親は祝日のように職場ごとまるっと休みになるのではなく、職場は動いている中で自分の「有給」を使って休むことになるわけですが、この「有給」がまた曲者(後述します)。

休めるなら休むけど…

この「キッズウイーク」構想に対する世間の反応は、正直微妙です。ヤフーニュースが行った意識調査『「キッズウイーク」の実施、賛成? 反対?』では、賛成22.3%(38,430票)、反対66.2%(113,911票)、わからない/どちらともいえない11.5%(19,689票)と、およそ7割が反対という結果になっていますし、SNS上では「親はそんな簡単に休めない」「民間企業の実態を知らない」「余計なことするな」「学校だけって、じゃあ保育園は?」等々の声が目立ちます。プレミアムフライデー同様、恩恵を受けられるのは公務員とか大手企業の社員とかごく一部の人たちのみに限定されることが予想され、政府は中小企業を含む民間企業の現場を把握してないことが明らかですし、<休暇を増やしましょう>と謳うのであれば、まず<ちゃんと休める労働環境>を提案しなければ意味がありません。長時間労働をはじめとして、日本の労働現場にはどうにかしなきゃいけない問題が山積しているはずです。そして、そのどうにかしなきゃいけない問題こそが、まさに、世間がキッズウイークに乗り気じゃない理由なんじゃないでしょうか。

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中崎亜衣

1987年生まれの未婚シングルマザー。お金はないけどしがらみもないのをいいことに、自由にゆる~く娘と暮らしている。90年代りぼん、邦画、小説、古着、カフェが好き。

@pinkmooncandy

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