「イケメンだから許される」という言葉があるが、何でも許されるワケではない――。6月9日売りの「フライデー」(講談社)が報じた“17歳女子高生と飲酒&SEX”によって、芸能活動を無期限謹慎すると発表した俳優の小出恵介(33)。出演予定だったドラマや映画の降板、出演CMの放送中止などの損害賠償額は数千万から億単位にまでのぼるという。
同誌によれば、事件が起きたのは5月9日の夜。主演で出演する予定だったNHKドラマ『神様からひと言~なにわお客様相談室物語~』の撮影のために大阪に訪れていた小出は、ミナミのバーで出会った17歳のA子さんと酒を飲み、その後宿泊していたホテルに連れ込み、彼女を無理やり襲ったという。A子さんの証言では、その内容はシャワーを浴びずに無理やり挿入し、避妊せずに5回行為に及び、うち2回は膣内射精したというもの。A子さんが「もう痛くてイヤや」と拒否をしても、行為が止まることはなかったと言い、「痛い」発言以降も3回“された”そうである。
同誌は小出の一連の行為について、「大阪府の青少年健全育成条例違反だけでなく、準強姦罪に該当する可能性もある」と指摘している。報道を見る限りでは、小出がした行為は決して許されるものではないが、なんとネット上には「小出恵介みたいなイケメンに誘われたら行くでしょ」「イケメン俳優とやれてよかったじゃん」「あんな爽やかイケメンに抱かれて羨ましい」といった、小出を擁護するどころか、A子さんにした行為を肯定する声が続々上がっているのだ。今年1月に未成年との淫行疑惑を報じられ、バッシングされた狩野英孝と比べると反応に大きな違いがある。しかも、狩野の場合は相手の女性が年齢を偽っていて、しかも同意の上で交際していたにもかかわらずだ。まさに、“イケメンだから許される”状態である。
痴漢にしろセクハラにしろ、「イケメン無罪」を論じる人はいる。つまり多くの場合そうした犯罪の被害者になる女性側が、「イケメンがやるならばエッチなプレイ、ブサメンがやると性暴力」と認識しているということになるが、果たしてそうなのだろうか。痴漢もセクハラも、暴力性を伴うものだ。女性は加害者がイケメンであれば、その行為で喜びや快感を覚えることが出来るのか? A子さんの証言が事実とするならば、小出とA子さんの一夜はセックスではなく性暴力と考えられる。「私も小出恵介とやりたい」等のコメントを投稿するTwitterアカウントもあるが、たとえモノのように扱われ痛みや苦痛を伴ったとしても、それを暴力ではなくセックスの「プレイ」と割り切り、「イケメン無罪」と思えるのだろうか。もし実際に避妊もせずに無理やり襲われた後、「イケメンだったから、まいっか」と納得できるだろうか。
さらに今、マスコミはともかくとして、ネット世論の風向きは小出擁護に向かっている。現在ネット上ではA子さんと思しきアカウントが小出と過ごした一夜について嬉々として友人に伝えるやりとりのスクショが拡散されており、「イヤがったのに無理やり犯された」という誌面での発言と矛盾があるのではないかと指摘する声が広がっているのだ。さらにA子さんが実は女子高生ではなく、普段から飲み歩き夜遊びしていたなど“素行に問題がある女子児童だった”との情報も流れ、彼女の氏名や顔写真など個人情報まで流出。これによって「小出恵介ハメられててかわいそう」「相手の女のせいじゃん」と小出擁護は一部で加速している。A子さんの言う「無理やりされた」は彼女の属性によって「虚偽の発言のようだ」と信憑性が疑われ、たとえ事実だとしても(もはや証明はできないが)自業自得扱いされる流れもできている。
だからといって小出の“未成年との淫行”はなかったことにはならず、むしろA子さんらしきアカウントの情報は、小出との性行為が事実だと裏付ける証拠になってしまっている。イケメンでも条例違反、児童福祉法違反はアウトだ。相手が児童の年齢だと認識しながら自制することのできなかった小出を、擁護することは難しい。
(北条まり)