インタビュー

「ノンケだけど、タチやっています」ある男性がウリ専という世界で見たもの/インタビュー前編

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Photo by Doug from Flickr

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 女性が男性に対して性的なサービスを行う風俗に対して、男性が男性に対してサービスを行う「売り専」。歴史を遡ると、少年たちが男色を売っていた江戸時代の陰間茶屋にまで行き着きますが、売り専が一体どのようなものなのか、どのような世界なのか、女性である私たちは知る由もありません。

 そんな時、知人のツテで実際に売り専で働くボーイさんと会うことができました。長身のガッチリ系イケメンのいちごう君(22)は、異性愛者だけど売り専に入店し、約1年勤めているそう。しかも、ノンケなのにタチ(アナルセックスにおいて挿入する側)をやっていると――。

 いちごう君がなぜ売り専という業界に足を踏み入れたのか、そして気になる売り専という世界について、じっくり教えてもらいました。

出張ホストだと思っていたのに売り専だった

 ――どういうきっかけで売り専の世界に足を踏み入れることになったのですか?

いちごう とりあえず勢いで田舎から東京にやって来たんですが、お金がなくて。即日でお金が欲しかったので、出張ホストに応募してみたら、実はその店が売り専だったんです。

――え~~! いつその店が売り専だと気づいたんですか?

いちごう 面接が終わってからでした。面接中もスタッフとの会話がどことなく噛み合わないなぁとは思っていたのですが(笑)。面接が終わった後に「うち男性のお客様しか来ないの、知っているよね?」って言われて。「いえ知りませんが」って返して……さすがに少し考える時間をもらいました。

――どのくらい考えたんですか?

いちごう 10分くらいですかね。まあ、お金ないし、とりあえず稼げるなら男性相手でも良いかなって思って。それでプロフィール用の写真撮影が終わったころに、いきなり「指名入ったから」って言われて。それでお客様の元に向かい、最初の一件目をこなし。

――こなしって言ったけど! そもそも研修とかなかったんですか?

いちごう 研修は一応ありました。まず、シャワー室の使い方とお客様の体の洗い方の説明ですね。自分が舐めたりするところは徹底的に洗って、うがい薬でうがいしてもらったらベッドに移動して。講習の時は「フェラさえできれば、あとは女性と一緒だ」って言われましたね。

――女性と一緒……なんですかね?

いちごう 前戯の内容自体にはたいして隔たりはないので。「童貞じゃないんだったら、フェラさえできればいい」と、フェラのやり方だけ習って……習ってというか、「されたことがあるならそのイメージでしてやってみて」とアドバイスされて実際にやってみた感じでした。それで「まあ最初はこんなもので大丈夫だよ」って。事前に新人だと伝えておけば、お客様もそういうものだと思ってくださるので。

――初めてを求めているんだから、まだぎこちないくらいのほうが良いかもしれません。

いちごう そうですね。新人にあんまり無茶なことをさせてくる人も少ないですし。でも初日は1件目が終わって脱力しているところに、すぐに2件目が入って、行ってみたらなかなか厳しいケースに当たってしまって。言葉責めをしながらすごい力でしごいてくる方でした。そのお客様は射精していたけど、僕はできず。多分“同時イキ”したかったんだと思いますけど……。

――初日と考えるとつらかったですね。

いちごう 今ならきっと上手く対処できるんですけど、最初は何をしたら良いのか分からないですよね。やっぱりどれが正解かわからない、どれが普通なのかもわからない状態なので、「そういうものなのかな」って思ってしまいますよね。だからその時は「ヤバイ世界だな」って思いました。

――そもそもいちごう君はノンケですよね。初対面の男性と密着する、キスをするということに対してすんなりと入って行けたんですか?

いちごう ……初日はやっぱり衝撃的でしたけど、2日目からは良識のある常連のお客様に当たって、その時の感覚として、初日受けた感覚よりも「ずっと楽だな」って言い方も変ですけど、気持ちとして楽だなっていう風に感じましたね。たぶん初日との落差のおかげで「これならできる」と思えて。2日目もきつかったら飛んでいたかもしれません。

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月島カゴメ

アニメもゲームもBLも嗜む雑食系オタク。最近はキッズアニメ(プリパラ、プリキュア)を見ている時が一番楽しい。オタクのくせに変な行動力がある。なお、貞操観念はほぼない。いつかメンヘラに闇落ちする日がくるんじゃないかと、少し怯えています。

twitter:@kaaagome_

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