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『人は見た目が100パーセント』最終回はシンデレラ展開を拒絶、「努力は必ず報われる」清きオチ

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『人は見た目が100パーセント』公式サイトより

『人は見た目が100パーセント』公式サイトより

フジテレビ系木曜22時〜枠のドラマ『人は見た目が100パーセント』も15日に最終回を迎えました。直前に意識朦朧の危険運転騒動を起こしたインパルス堤下も、ワンシーンだけ出てきましたよ。カットしてつなぎ直したりしたんでしょうか。スタッフさんおつかれさまです……。

【第一話】「呪い」を強化し、女性をバカにしているようにしか見えなかった
【第二話】このクソ「セクハラ」ドラマを垂れ流していいんでしょうか?
【第三話】“女性視聴者に必要なモノ”を狙った結果、完全にスベッている
【第四話】狭すぎる女子定義、知ってる情報しか流れてこない
【第五話】女子モドキを卑屈にさせるのはキラキラ女子ではなく「正しい女の在り方」を決めてかかる社会ではないか
【第六話】「“女性として”認められるためにカネを使え」って脅しでモノ売るのやめませんか
【第七話】女磨きサボッたら女失格だけど「キラキラ主婦は家事育児放棄してそう」と蔑むダブルバインド!
【第八話】女子を「応援する」つもりで呪いを強化してしまう、悪気はないとしても
【第九話】成田凌のゲスキノコヘアーという壮大な伏線が回収された!

イケメンへ一言「どうして変わりたくないんですか」

これまでのストーリーを思い切り端折りますと、大手化粧品会社のクレエラ・ジャパンに勤務する理系女子の城之内純(桐谷美玲)は、地味で引っ込み思案でしたがイケメン美容師の榊さん(成田凌)を好きになって「かわいくなる努力」を続け、誠実で実直な人柄もあり榊さんから「好きです、付き合ってください」と交際を申し込まれました。舞い上がりつつ初めての男女交際におっかなびっくりの純ですが、実は榊さんは別の女性と二股交際していることが発覚。しかもそれを悪びれることなく榊さんはこう言うのでした。

「城之内さんのこと(も、もう一人の彼女も)好きですよ。それじゃダメですか? ありのままの自分で付き合いたいんです。ありのままの貴女も受け入れます」

ここまでが前回のお話。純が混乱を極めたところからが最終回はスタートしました。純は榊さん二「受け入れられない」と正直な気持ちを話し、榊さんも「別れたいってことですか? いいですよ。城之内さんがそうしたいなら、そういうことにしましょっか」とあっさり承諾。前田満子(水川あさみ)と佐藤聖良(ブルゾンちえみ)は純を励まします。しかし純のショックはかなり大きく(初めての恋、初めての交際、初めての二股、初めての失恋と初めて尽くしでしたしさぞお疲れでしょう)、すぐには立ち直れそうにありません。しかも意外なことに榊さんはしつこく食い下がってくる! あーんベッキーとゲス川谷のラブ劇場を連想せざるを得ないよう〜。

ある夜、榊さんは再び純の元に現れ(職場が同じ敷地内だしね)、逃げる純を追いかけて情熱をぶつけてきます。

「僕はまだ城之内さんのことが好きです。あれからずっと城之内さんのことを考えてました。会いたかったです。城之内さんも同じ気持ちですよね?」

自信あるなあ、榊さん。そして純も「同じ気持ち」であるため二人は復縁。前田は「どうして? 彼女がいるんだよ。本当にそれでいいの?」と詰め寄りますが、純はこう返しました。

純「幸せなんです。榊さんといるとすごく。私は榊さんが好きです。素直に受け入れて、幸せな時間を大切にしたいと思ったんです」
前田「それって逃げなんじゃないの?」
純「そういう幸せの形もあると思います。私がいいと言っているんだからいいじゃないですか」
前田「そりゃ世の中にはそういう人もいるけど、城之内さんは、そこからかけ離れたところにいる人でしょ」
純「やめましょう。これは、私の問題だからです。私が誰と付き合おうとお二人に迷惑かからないですよね。しょうがないんです。私は榊さんといられればいいんです」

こうして仲良し三人組だった彼女たちは分裂。気まずい空気のまま、会社の25周年記念パーティーの日が近づき、前田と佐藤は以前のようにビューティー研究を継続しますが、純はもうその仲間には入れません。榊さんは「そのままでいいんですよ、人は変われないものなんです。できないことは、得意な誰かに任せればいい。パーティーの日は僕がヘアメイクも服装のスタイリングもして綺麗にしてあげます」なーんて言ってくるし、確かにプロのオシャレさんである榊さんに魔法をかけてもらえれば純は一瞬で特別に可愛くなれるわけですが、そのことに違和感を覚えているのは他ならぬ純自身でした。

さらに榊さんとのデート中、もう一人の彼女から「体調が悪い」とのコールを受けた榊さんはその子の元へお見舞いに行きます。純も性格上「行ってあげてください」と言いたい人だし。だから純は結局、「このお付き合い、やっぱり無理」だと薄々気づいています。 それを告げるとまた榊さんは食い下がり、

「じゃあ、どうするんですか。悪いところを直そうってことですか。それって無理するってことですよね。人は変わらないものなんです。だったら最初から、無理しないで受け入れるほうがよっぽどお互いのためじゃないですか」

なんだろう、榊さん、意識高い系の嫌なイケメンとして描かれてるな……? その圧に押されてやっぱり別れられない純。パーティー当日、榊さんにヘアメイクしてもらい、洋服もロエベの新作を用意してもらって「すっごく綺麗」なイケてるオネーチャンになりました。会場でも同僚たちに可愛いと褒められますし、あの厳しい上司・松浦女史(室井滋)も「素敵じゃない」と純を認めます。ただし、純が「自分でスタイリングしたわけじゃない」と告白すると、松浦さんは「そんなことかと思った」とがっかりした顔。松浦さんは借り物の綺麗は認めない人です。その人自身が努力して綺麗にならなきゃ意味がないってことみたい。

純「綺麗になるってどう言うこと何でしょうか?」
松浦さん「そんなこと聞かなくても、もうわかってるんじゃない?」

シンデレラじゃダメなんだってこと。マイ・フェア・レディも、プリティ・ウーマンも。榊さんは「僕が綺麗にしてあげるんだからそれでいい」と言ったし、確かに自分は今キレイに見える装いをしているけれど、そういうことじゃないんだと、純は確信します。全然中身が伴っていないから。自分で獲得したものじゃないから。自分が気づいて自分で積み重ねたものでなければ身にならない、ってこと。最後の最後でなんだかいい感じにまとめましたよね……。

八王子製紙に初期のデータを取りに行った純は、そこで「丸の内に行って雰囲気が変わったね。人って頑張れば、変われるものなんだね」と褒められました。ようやく決心がついた純は、榊と本当に決別します。m-floの名曲「let go」をBGMに別れのシーンが描かれました。

純「変われますよ。人は。一緒に悩んだり、喜んだり、そうやって一緒に頑張ってくれる人がいれば。私は変わりたい。これからも変わり続けたいです。ダメなんです。変わらなきゃ。頑張んなきゃ」
榊さん「どうしてそんなに変わりたいんですか?」
純「榊さんは、どうしてそんなに変わりたくないんですか?」

クリティカルな一撃! 言葉に詰まった榊さんは、沈黙の間に全てを理解したようです。

榊さん「…………どうしてだろうね。……短い間だったけど、城之内さんと過ごせて楽しかったです。もっと二人でいろんなことをしたかったけど。ありがとう……これからも、お元気で」

こうして榊さんも別れに納得。二人とも理性的だなあ。好きだけど別れるというより、好きは好きだけど、もう好きじゃないってことじゃないでしょうか。わかりにくいですかね。まず純にとって榊さんは優しいしかっこいいけれど、前みたいにはもう、好きじゃないし一緒にいて楽しい気持ちにはなれないということです。榊さんといると違和感を覚えてしまう。そんな自分の気持ちを誤魔化すことは純には出来ない。榊さんもまた、純が自分のことを好きでも「全てを受け入れる」わけじゃないと理解したんでしょうね。

純は、前田&佐藤と仲直りし、「これからもビューティー研究しましょう!」。大団円。良かったね。

誠実な三人の女性たちは、ちゃっかり他人の尻馬に乗るような生き方は選べず、それゆえに「不器用」と見られるタイプですが、「それでいいんだよ。少しずつ、自分の頭で考えて、自分なりにキレイになろっ♪」と背中を押すような最終回でした。最初は強制されてイヤイヤやらざるを得なかったビューティー研究もいつのまにか楽しくなってたと。キレイになるって楽しいねと。人は変われると。変わらなくてもいいと思いますけどね。

最終回を見終えてわかったこと。「女子」の自己啓発ドラマであり、美容・ファッション業界の広告成分が90%でした。

(ドラマ班:下戸)

【第一話】「呪い」を強化し、女性をバカにしているようにしか見えなかった
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