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セックス中に相手を傷つける発言をできる男と、できない女の間にある深い溝

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仲がよくても、溝はある。Photo by Renato Guerreiro from Flickr

 先週の記事「なぜ女性の濡れが少ないと、『愛情不足』『不感症』と詰られてしまうのか」を受けて、私のSNSには数々の書き込みがありました。「俺が思っているほど」濡れないという理由で男性からいわれた心ない言葉は、のどの奥に刺さった魚の小骨のようにその人の記憶に残っているものなのですね。でも、おそらく当の男性は忘れています。

 私が経験したことのある理不尽な「濡れない」クレームは、“恥骨クン”からのものでした。30代にしてクリトリスの位置を知らず、ひたすら恥骨を指で押して刺激しつづけた彼のことは、これまで各所で何度もお話してきました。私としては恥骨刺激よりも、耳元で「濡れにくいんだね」とささやかれたことのほうが衝撃でした。とはいえ、これも彼としては何気ない、そして当然の一言。記憶にもないでしょう。

 あまりに的外れなので傷つきもしないけれど、しかしこれに対して私は「いやいやいや」と反論しませんでした。馬鹿馬鹿しすぎて何かいってあげる気も失せた、というのが本音ですが、それ以前に、私はベッド上で男性に強くクレームを言ったことがないのです。

 いちばんイヤなのは、何度かに一度は「ゆるい」といってくる男性でした。たしかに、している最中で「あ、私、いまユルいかも?」と思うときってあるのですが、だいたいそういうケースは相手が遅漏でダラダラと時間だけ長くセックスしているときに起きがちだったし、そもそも相手のサイズによるところも大きい。なので、それほど気にしてはいませんでした……ってウソですね、原因が彼にあると自分にいい聞かせて気持ちをなだめようとしながらも、やっぱりチクチク傷ついていました。

クレームをいったら、フォローが面倒

 だからといって、クレームをいえない。だってそれは、口にしてはいけないこと。「あなたがいつまでもイカないから」「いままで“ユルい”なんていう人いなかったけど?」と口にした瞬間、何かが終わります。なぜなら、よほどニブい人でなければ「遅漏」「ほかの男と比べて小さい」という裏の意味を察し、たちまち気持ちも息子も萎え、セックスは中断。それも困るのですが、私にとっては「そうなった後のフォローが大変!」だからです。

 不満は伝えたほうがいいにしても、している最中に感情的に吐露してしまえば、いろいろと面倒。もしかすると逆ギレされてさらに厄介なことになるかも……そう思って、いいたいことを飲み込んでいる女性はきっと多いでしょう。「ちょっとイヤなことがあってもその相手とセックスする関係を継続したい」場合、自分がそれを飲み込むことがいちばんの解決策になっている、と知っているのです。

 でも一方の男性は、たいした考えもナシにさくっと口にしちゃう。「濡れにくい」も「ゆるい」もそれが女性を傷つけ、どれだけ盛り上がっていた気分も一瞬にしてペシャンコにしてしまう威力がある発言だという自覚がない。

 これは、女性が傷つき心身がトーンダウンしても、男性にとって“セックス継続可能”な状態であることに変わりがないからだと思います。女性が濡れていなくても気持ちがノッていなくても、自分が勃ってさえいれば“物理的に”セックスは遂行できると、男性は本能的に知っているように見えます。それがいいセックスかどうかは別の話です。

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桃子

オトナのオモチャ約200種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。

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