【はたらくしQちゃんコンビニバイト編】
第一話「襲いかかる就職難! しQちゃん、コンビニバイトに挑戦」
第二話「緊張と性欲の初レジ打ち体験! しQちゃんコンビニバイト続編!!」
初めてのレジ打ちでは失敗をしてしまったけれど、何週間か経ったらコンビニバイトも慣れてきたキュウ~。お札の間違いはさすがにもうしないキュウ! でも、レジ打ちはやっぱり緊張するキュウ~。
まだ、商品の品出しの方がお客さんと接しなくて疲れないキュウ~。ていうか、立ち仕事きついキュウ。品出しの時に棚の下の商品を補充している時があたしのブレイクタイムだキュウ……。
そんな過酷なコンビニのお仕事の中にも、あたしが大好きなお仕事があったキュウ! それはゴミ捨てだキュウ!
コンビニの外にあるゴミ箱は都会の人々が食い散らかした物と飲み残した物で溢れているキュウ……。そんなゴミ箱に詰まったゴミ袋をゴミ箱から出すとき、あたしの胸は震えるキュウ。分別もされず、底の方にはジュースの飲み残しが溜まってドドメ色になっているんだキュウ。
「あなたもあたしと同じキュウね……。途中まで食べて、飲んで飽きられてゴミ箱に捨てられたキュウね……。大丈夫。あたしがついているキュウ。」
と、勝手にゴミたちと会話をかわしている時が幸せキュウ。あたしもゴミ。あなたの気持ちよくわかるキュウ……。
そんなセンチメンタルなゴミタイム。誰にもこの逢瀬を邪魔されたくないキュウ……。悦に入っているのもつかの間、コンビニのマネージャーが
「ちょっと、しQちゃん! レジが混んできたからゴミを早く片してレジに入ってちょうだい!」
うう、また、辛いレジに逆戻りキュウ~。
このコンビニは都内で人通りが多い場所にあるくせに人件費の節約のため、人を二人しか置かないんだキュウ~。品出しをしつつレジに入り、掃除をしつつレジに入り、忙しくて目が回るキュウ~~。
ていうか、レジでレシートを受け取らないやつが許せないキュウ! 別にレシートを受け取らなくても返品とかクレームを言ってこないならいいけど、レシートを受け取るのを拒否したくせに「おつりが足りない」とか「返品したい」とか言ってくるやつ、図々しいにもほどがあるキュウ!
受け取らないで溜まったレシートは時間が過ぎればゴミ箱に入れてしまうキュウ! そのゴミ箱の中からお前が受け取りを拒否したレシートを探すこっちの身にもなれキュウ! レシートが見つからないと「もういい」とか言って無愛想に去りやがるキュウ。
ああ~~!!!! 客の民度の低さにイラつきMAXキュウ!!!!!!
そんな中、最悪の事件が起こったキュウ……。
あの日、あたしがレジに入っている時間にどんどん店内は混雑してきて、レジには長い列ができていたキュウ。あたしはなるべく早く、でも正確にを心がけつつ、商品もコンビニの袋に丁寧に入れていたキュウ。並んでいたお客さんの中に、中年男性がいたキュウ。その中年男性はレジの前に立つなりこう言ったキュウ。
「お前みたいにレジを打つのが遅いやつはなあ、クビだ! クビ!!!!」
どうやら、レジを待っている時間が長くてお怒りになられてしまったキュウ。なんで店員のあたしがお客さんにクビの宣言をされなきゃならないんだキュウ! でも、お客さんには逆らえないキュウ。
「申し訳ありませんキュウ……」
そう言いながら中年男性がお買い上げになられた商品をレジ打ちしたキュウ。中年男性はあたしを睨んで少し満足そうに去っていったキュウ……。
あたしは涙を抑えることができなかったキュウ。理不尽な怒りや憎しみをぶつけられる時が一番辛いキュウ。あの中年男性が会社や家庭で嫌なことがあったとしても、通りすがりのバイトに怒りをぶつけるなんて許せなかったキュウ。
交通事故みたいなものだと自分に言い聞かせたけど、耐えられなかったキュウ。
泣きながら黙ってレジを打ったキュウ。金額を読み上げる気力すら出なかったキュウ。お客さんもさすがに誰も何も言わずにお金を出しておつりを受け取って行ってくれたキュウ。
でも、マネージャーだけは違ったキュウ。店長室から顔を出してこう言ったキュウ。
「ちょっと、しQちゃん! ちゃんと声を出してレジを打ってちょうだい!!」
あたし、もう死んでもいいかキュウ?
■子宮のゆるキャラ(妖精)しQちゃん /アイドルに貢ぐために週5+日払いバイトで馬車馬のように働いているキュウ。生理前は情緒不安定になるけれど、今日も元気に頑張りまシュッサン☆ Twitterアカウント【@sheQchang】
(しQちゃんバナーイラスト おおざわともこ http://ohzawa.blog.fc2.com/ )