カルチャー

SATC女優が自らの濃厚セックスライフを基につづった“究極の満足”

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セックスに正解はないとわかっていても、本音をいえば誰かから答えを教えてもらいたい。正しい愛し合い方って? 失敗しないベッドテクニックって? 多くの人がそう願ってやまないせいか、ハウツーセックス本はいつの時代も注目を集め、ときにベストセラーに躍り出ます。でも実際、その内容はどうなの? ほんとうに役に立つの? そんな疑問に答えるべく、時代を彩ったハウツーセックス本を再検証。盗めるワザは盗んじゃえ!

サティスファクションー『SEX AND THE CITY』サマンサからの愛の贈り物 新装版ー

著者:キム・キャトラル & マークレヴィンソン
2008年8月発売 エクスナレッジ ※オリジナルは、2002年刊行『サティスファクション―究極の愛の芸術ー』

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『SATC』のサマンサ姐さんが、セックス本を書いていた! いえ、実際はサマンサを演じる女優、キム・キャトラルの著書ですが、奔放でセックスに積極的な役を演じる彼女がセックスを語るとあっては、期待も高まります。米国で本書が発売されたのは2002年。当時46歳のキム姐さんは、オーディオメーカーCEOのマーク・レヴィンソンと結婚していました。

 本書は、夫妻がリアルに実践して“サティスファクション=満足感”を得たベッドテクニックで構成されています。セピア色のイラストが上品&エロティックでありながら、わかりやすいのもポイントです。

 でもフェロモンだだ漏れの姐さんのこと、いろんな人からサティスファクションをもらったでしょ? と思いきや、「わたしの性経験は3年前までほとんど満たされないものでした」「セックスに不満をもちながら、20年も過ごしてきた」と序文でカミングアウト。色っぽい人にはセックスのチャンスも多く訪れるけど、得てして男性はがっつきがち。めくるめく快感とは無縁だったようです。マークが初めてサティスファクションを与えてくれた…となると、彼のテクニックに俄然、興味がわきます。

  「ある晩、キムが言った。
  『あなたは芸術家だわ』
  こんなに褒められたのは、生まれてはじめてだ」ーー本文より

 日本人にはちょっと口にしにくい台詞ですが、彼女にそう言わしめたマークのワザとは……徹底したレディファースト! 彼個人の性癖というより、お国柄でしょうか。たとえば、挿入のパートはいきなり「騎乗位」から始まります。これ、日本のセックス本ではまずないこと。正常位からが定番です。騎乗位といっても男性が楽をするのではなく、ここでは女性が好きに動いて勝手に感じるための体位として紹介されているのが画期的です。

 同じく後背位(バック)でも、女性が自由にお尻を振り、腰を男性に押し付けて、心ゆくまで快感を貪ることを勧めています。日本のセックス本では、バックは「男性が最もイキやすい体位」とされていることが多いです。女性の腰を固定して、男性は自分好みの速さと深さで、腰を打ち付けられるのですから。

 ほかにも、女性がソファに腰を下ろしてHな映画を見るプレイも提案されています。男性はこのとき、なんと床にひざまずいて女性の脚のあいだに顔を埋め、口で愛撫するのです。また、男性がイキそうになるとき「直前にペニスを抜き、精液の飛び散る瞬間を見せる」という驚きのチラ見せテクが紹介されていますが、これも女性の興奮を煽るためのもの。どこまでも尽くす様子に感心していると、「男性は自分のことを考えてはいけません」という一文に出会いました。無欲すぎて、感動を覚えます。

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三浦ゆえ

フリー編集&ライター。富山県出身。複数の出版社に勤務し、2009年にフリーに転身。女性の性と生をテーマに取材、執筆活動を行うほか、『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』シリーズをはじめ、『失職女子。~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで~』『私、いつまで産めますか?~卵子のプロと考えるウミドキと凍結保存~』(WAVE出版)などの編集協力を担当。著書に『セックスペディアー平成女子性欲事典ー』(文藝春秋)がある。

twitter:@MiuraYue

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