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日本人女性から韓国人年下男子への貢ぎ物は、ドンキの袋いっぱいの日用品!

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日本からわざわざ。Photo by Antonio Tajuelo from Flickr

 まさかあの場所で、ドン・キホーテの、あの黄色のレジ袋を目にするだなんて思ってもいなかったな……。今回の舞台は、ソウルのセレブタウン・チョンダムドン(清潭洞)にそびえ立つエルメス。その地下にあるエルメスカフェでのこと。

 こちらのカフェ、もちろん価格もエルメスプライスだけに、お客さんもセレブ風の韓国人が目立つ。それほど広い店ではないが、ゆったり居心地のよい雰囲気が気に入ってたまに行くのだが、ある日ここで空前絶後の光景を目にしてしまった。もちろん主人公は日本人女子。仮にナナ子ちゃんとしておこう。

 実はこのナナ子ちゃんのこと、彼女がカフェに入ってきたときから気になっていたのだ。だってナナ子ちゃんったら、両手にドン・キホーテの黄色のレジ袋を抱えて(中には物がぎっしり)、さらには大きなリュックまで背負って、まるで行商人のようなスタイル。エルメスの雰囲気に似合わないったらありゃしない。それに、甲高い声で「エルメスすごーい!」なんてテンション高めなもんだから、私以外のお客さんだってみんなナナ子ちゃんに視線釘づけだったのだ。

 ちなみにナナ子ちゃん、ニッチェ近藤似の推定35歳。ぽっちゃり体型に、上下GUファッション、背中に背負ったナイロンリュックはレスポと、韓流好きなおばちゃん観光客感満載だが、実は足元に注目すると、爪は真っ赤なペディキュアで塗られ、ラメがまぶしいウエッジサンダルはきっとルブタン、スマホケースもヴィトン(たぶん本物)だったりして、「実は小金持ちのオシャレさん?」とますます気になってしまう。

 これはもうウォッチングせずにはいられないっ!

 それに、ナナ子ちゃんに視線集中な理由はこれだけじゃない。彼女の連れもまた気になって。この日ナナ子ちゃんの隣にいたのは、一見アイドル風の高身長で小顔の韓国人男子。ドンキ袋を床に置いて両手がフリーになったとたん、ナナ子ちゃんが彼に近寄り、ふたりはがっつり恋人つなぎしていたが、どうやったって恋人同士には見えない。まるでおかあちゃんと息子のよう。それにふたりの表情も対照的で面白い。韓国人男子の表情は始終冴えず、ナナ子ちゃんは超ご機嫌。このふたり、いったいどんな関係なの?

 ほら~~~こんなの見ちゃったら、ウォッチングせずにはいられないでしょっ!

韓国人男子の不満ポイント

 メニューを見てオーダーを終えたナナ子ちゃん、待ってましたとばかりにドンキ袋のなかの物をテーブルに一気に広げ出した。そこには日焼け止めからトイレの芳香剤、蚊取り線香にボディーシャンプー、柔軟剤にサロンパスにカップラーメン……まで、日本の商品がずらり!

 さらにレスポのリュックからは、リボンでラッピングされたボックスが出てきて、これはどうやら男性用の下着らしい。これ全部、ナナ子ちゃんから韓国人男子へのプレゼントのようだ。机に置ききれなかったが、ドンキ袋のなかにはまだシャンプーやらコンディショナーやらが残っている。うわ~~これ全部で何キロあるの? 日本から持って来るの重かっただろうに。

 で、気になる韓国人男子の反応だが、冷めた表情でナナ子ちゃんを見てたったひと言ーー「ブランド品ないの?」。

 チーン………………。

 さすがにナナ子ちゃんもこの言葉にショックを受けたようだったが、落ち込んだのもたったの10秒。その直後には、「欲しいブランド品があったら、前もってLINEで送ってね」とニッコリ。いや、あれは心からのニッコリではなく、だいぶ引きつりながらのニッコリだったけど。

 その後のふたりは、もう一度恋人つなぎがしたくてウズウズしてるナナ子ちゃんを阻止するように、韓国男子がクッションを抱えて自分の体をガードしてたりしながらも、テレビの話やアイドルの話で多少は盛り上がっていた。が、30分後にはタイムアウト。韓国人男子の元に友だちから呼び出し電話が入ったようだ。

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エルメスの道 (中公文庫―コミック版)