実際の離婚理由は、同誌によれば、乙武氏の横暴ぶりによるものだった。報道により謹慎生活を余儀なくされた乙武氏は、<仁美さんに辛く当たり続けた>という。具体的には、外出が難しいため、まだ1歳だった末っ子を含め3人の子供達と暮らす自宅に友人たちを招いて宴席を設け、仁美さんにもてなさせる。仁美さんが「控えてもらいたい」と言うと「それならお前の両親も呼ぶなよな」と彼女の実両親を出入り禁止に。これにより子供達の世話を両親に手伝ってもらうことも難しくなった。そのうえ、乙武氏は仁美さんに、子供達よりも<俺を最優先しろと『命令』>、育児の都合でほんの少し外出しようものなら<どれだけ自分が惨めか分かるか>、<俺の面倒を見ないと、障害者虐待防止法で訴えるぞ>との脅し文句で責めたという。同誌ではこれらの行動を「モラルハラスメント」と評しているが、間違いなくそれだろう。
夫婦再建を宣言したにもかかわらずの酷い態度は意味不明で、全く理解し難いところだが、もしかして乙武氏は、わざと傍若無人に振舞って、妻側から離婚を切り出させようとしたのだろうか? いや、そうではなく、心から素直に「自分は最優先に扱われるべき存在」と認識していたのかもしれない。元妻への暴言や横暴な態度がモラハラだったとは微塵も思っていない可能性がある。
不倫報道の際、介護の必要な障害を持つ自分が子育てに携わろうとしても難しく、家庭内でできることがなくて惨めな思いになった、外に癒しを求めた、という主旨の”乙武節”を綴った、乙武擁護の記事も少なくなかった。彼自身にとって、メンタルを整えるために必要な行為だった愛人との逢瀬は、「報道のせいで」断ち切られ、いわば彼は「被害者」だと自認していたのかもしれない。元妻のことを、どんな人間だと思っていたのだろうか。また、子供達の父親でもある自分について、その状態でなんら問題ないと言えるのだろうか。