歌手の安室奈美恵(40)が、2018年9月16日をもって引退することを自身の公式webサイトで発表した。1992年9月16日にスーパーモンキーズとしてCDデビュー。今年は音楽活動25周年の節目だ。
安室は「今日は、私が長年心に思い、この25周年という節目の年に決意した事を書きたいと思います。」と前置きし、以下の簡潔な文章で引退を宣言している。
「わたくし安室奈美恵は、
2018年9月16日をもって引退することを決意致しましたので、
この場を借りてファンの皆様にご報告させていただきます。」
コンサートツアーをやればドーム規模の会場を満員にし、今でもカリスマ的な人気を誇るトップ歌手。2015年6月にリリースしたオリジナルアルバムの売上枚数は25万917枚で、今なお衰えは全くなかった。彼女をアイコンとして起用したい企業、彼女の新曲を主題歌にしたい映画作品やテレビドラマ、そして何より彼女の歌を聴きパフォーマンスを見たいファン、いずれも間違いなく多いはずだ。このタイミングでの引退発表には驚きが大きい。
しかし10代から芸能界に入り歌手活動を続けてきた安室奈美恵が、26年間の活動に幕を引くことは、一人の人間の決断として考えれば不思議ではない。
私生活では1998年に長男を出産、来年成人する。昨年、京都の高級マンションを購入したとの怪報道もあった。「長年心に思い」とあるように、かねてより計画は温められていたのかもしれない。2015年1月に、デビュー以来所属していたライジングプロダクションを離脱、現在は彼女の設立した個人事務所となる株式会社stella 88がマネジメントしている。楽曲リリースも彼女のためのプライベートレーベルとなる「Dimension Point」に移行していた。唐突な引退ではなく、きちんと段階を踏んで準備してきたものであることを感じさせる流れだ。
20年の節目として数々の媒体に露出した2012年、安室奈美恵はインタビューに応えて「20年間自分に納得したことは一度も無くて、自分の中に欲も出てくるし課題も出てくる。自分の中でどう解決していこうか、次にどう進めばいいだろうか。そんなことで頭がいっぱいの20年間でした」と話していた。しかしこうして活動に終止符を打つことを発表したからには、もうすでに今の彼女は、何らかの形で納得を得ることが出来たのではないか。ファンにとっては悲しく寂しい発表であるが、おそらく前向きな一歩であり、強くたくましい決断だ。引退までの1年間、その姿を目に焼き付けたい。