9月29日(金)から公開される、リリー・フランキー主演映画『パーフェクト・レボリューション』。風俗嬢×障害者の恋愛映画というインパクトのある設定だけでなく、ツウ好みの豪華キャスティングがそこそこ注目を集めているようです。
ヒロインにはフレッシュ&チャーミングな清野菜名、その脇を固めるのは小池栄子や岡山天音、余貴美子という実力派俳優たち。そして本作品のモデルである、脳性麻痺の男性役にリリー・フランキー。狂った殺人者を演じた映画『凶悪』も最高すぎましたが、リリーさんてば本当~にひと癖もふた癖もある役が、どハマりしますね。物語冒頭、車椅子からかわいい書店員の体をなめまわすようにねっとり見つめるシーン。公共の場で障害者が性欲をあらわにしているというタブー感と、リリーさんからあふれ出る〈本人感〉の強烈さが相まって、ここで映画の世界観へ引き込まれた人は多そうです。
しかし「なんか面白そう!」という期待は、以上で終了。冒頭では試写会場内からクスリと笑い声も聞こえてきたりして場がジワリと温まったかと思いきや、その後急速に凍っていったのですから。映画を観ている間、数度お隣の中年男性と体がぶつかったのですが、あれはあまりのズッコケ描写にじっとしていられなくなったのだと確信しています(私もそうだったし)。
この作品は自身も脳性麻痺を抱えつつ、障害者の性への理解を訴える活動を行う熊篠慶彦氏の実体験をベースした物語です。映画ニュースなどでは、内容よりも〈熊篠氏と親交があり、彼の活動に感銘を受けたリリー・フランキーが自ら企画を売り込んだ〉〈実話がベース!〉という点が大プッシュされています。ところがお相手の風俗嬢(当時)に関してはノータッチ。一般人だから? いえいえ、その筋では超有名な、子宮系女子のカリスマなのですけどねえ。
ヒロインのモデルは、あの女性!
トンデモ物件ウォッチャーの方々はすでにご存じのとおり、熊篠氏の元カノと言えば、子宮系女子のトップオブトップ・子宮委員長はるでございます(子宮系女子とは?という方は過去記事をご参照)。
スピリチュアルなご自愛トークや高額セミナーにより一部からは〈カルト〉と揶揄されながらも、次々と著書を発表し、そこそこの売り上げを叩き出しているそれなりの有名人。キャラが立ちすぎるのかスポンサーへの配慮か、チラシや公式HPではなぜかまったくく触れられていないのが、逆に興味を引かれてしまいます。一応エンドロールと宣伝用パンフレットでは、「原案協力 子宮委員長はる」と確認できましたけど。もちろんご本人はこの上なくご満悦で、「私の過去の恋愛が、映画になりました!」とあちらこちらで絶賛アピール中。さて、そんな子宮カルトの女王×障害者の性を訴える活動家の恋愛映画とは?
ふたりの恋愛は、風俗嬢であるミツが熊篠氏(以下クマ)の出版トークショーへ足を運ぶことから始まります。いちゃもんをつけてみたけどそれに対するクマの回答がツボに入り、「付き合って!」と猛プッシュするミツ(このへんは割と実話)。しかしミツは風俗嬢であるだけでなく、精神疾患を患っているため社会に適応できないという設定になっていて、これが〈立ちはだかる壁〉という話のよう。
初めはふたりの交際を「無理だ」と反対する周囲。けれど障害があると燃え上がるのはお約束で、物語……というかミツのテンションは最高潮に。ここでチラシにもある「障害なんて二人で超える」「革命は起こせる」「世界に証明するの。本当の幸せを!」というキーワードが生まれるわけです。