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誘拐、性犯罪、いじめ、恋愛、川。心配でたまらない子どもの安全に、親はどう折り合いをつける?

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野々村友紀子

野々村友紀子さん(撮影:細谷聡)

 昨年11月放送の『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)が“芸人の嫁”として密着した、2丁拳銃・修士さんの奥様で構成作家の野々村友紀子さん。友紀子さんが子どもに向けて“強く生きるため”の言葉を綴ったノートが番組で取り上げられ、大きな話題となりました。そのノートがこのたび、『強く生きていくために あなたに伝えたいこと』(産業編集センター)として、一冊の本に。8月に発売されると即、重版が決定しました。

 帯には劇団ひとりさんの言葉として、「母の言葉は強い!」とあります。するとどうも、私は怯んでしまいそうに……。「どうせ、最初から強く正しく清い女性が書いたんでしょう」と。しかし、斜に構えるのは浅はかでした。そこには至極真っ当で、でも堅苦しくなく、特別ではないのに素直に受け止められる「母の」、というか「親から子どもへの言葉」が並んでいます。

【寝坊した時は目の前のできることからやりなさい。】
【何もしていないのに急に「自分を信じてやってみる!」な。】
【ネットではしゃぐな。】
【男女がうまくいくために必要なのは愛じゃない。信頼。】
【「時間」にしか解決できないことは世の中にたくさんある。】

などなど……

 友紀子さんは、等身大の“先輩ママ友”のように、シンプルな言葉で「どうしてこのノートを書いてきたのか」を教えてくれました。

川をナメるな、パンツのタグはハサミで切る、BBQの心得

――いつ頃から、どのようなきっかけでノートを書き始めたのでしょうか?

「子どもと食卓を囲んでいるときに、世間で起こった事件や経験から私自身が考えたちょっと説教臭いことをよく言っていたんです。でも、子どもが大きくなるにつれ、『これは、もう少し大きくなってから、まとめて伝えた方がいいのかな?』と思ったことが、書き始めたきっかけです。

時期としては、長女が物事をわかるようになってきた頃、5歳くらいからでしょうか。話をある程度理解するけれど、まだ早いかな? くらいの頃に、書き始めました。

真っ白な絵本(※無印良品の「画用紙絵本ノート」)が売っているのを見つけて、そこにメモをして自分の本を作るような感覚で書き溜め、まとまったら子どもたちに渡そうと思ったんです。書かないと、自分でも忘れちゃいますし、書き留めておこう、と」

――渡す予定はいつ頃でしょうか?

「はっきりとは決めていませんが、中学生くらいでしょうか。今でも思いついたら書いていて、少しずつ増えています」

――現時点で、お子さまに伝えて「これは響いているな」と感じた言葉はありますか?

【川に気をつけなさい。】ですね。実は私、昔一度、川で流されかけたことがあるんです。浅めの川で調子に乗って『川って楽しいな♪』と川流れしていたら、流されかけて川底にガンガン当たって、すっごい痛かったんですよ」

――命の危機を感じたんですね。

「感じましたね。海は最初から『怖いな』と構えていましたけど、川のことはナメてかかってしまったな、と自分の反省を踏まえて、このページは書きました。川って身近ですし、浅かったりすると、気が緩んでしまうんですよね。でも毎年、川の事故は多い」

――流されかけたのは野々村さんが子どもの頃?

「いえ、大人になってから(笑)。本には偉そうなことを書いていますけど、自分が出来たことややってきたことではなく、これまで生きてきて出来なかったことの方が多いです。たとえば、【パンツのタグはむしるな。】

――むしると、かえって面倒くさいことになるやつですね。

「こんなん必要ないやん、と、つい適当に折ってビリッ! とむしっちゃうんですけど、糸がビーッとなって汚くなってしまう。結果的にハサミで切ったほうがストレスがない。だから子どもには、実際に新しく買ったパンツのタグを切るところを見せながら『これはハサミで切るんだよ』と教えています」

――細かいことですけど実は大事な心がけかもしれません。他にも、実体験が背景にある言葉はありますか?

「読者の方からの反響も多かった、【仲良しがいないバーベキューには行くな。】も、昔の後悔が元です。昔、大阪在住の若手からベテランまで様々な構成作家が集まるバーベキュー会合がありまして、当時は大阪に住んでいたので参加してみたんですね。年配の作家さんを含め、色々な方が集まるというので、なんとなく『行ってみようかな』と思って。でも行くと、偉い先生と知らない人ばかりで、誰とも話せなかった。バーベキューなのにこんなに楽しくないなんて……。

そういうバーベキューの会って、ちょっと家から遠いところまで行くし、2時間制の居酒屋飲み会と違って昼から夕方までって時間も長いんですよね。ずっと飲み物と皿を持って、大自然の中、じーっとひとりでいました。これはすごく寂しいですよ、切ないですよ。参加するなら、誰かひとりは知っている人がいないと、これは危険やぞ、と思いました。このことは、娘たちには伝えておかなきゃなと」

――ああっ、それは全世代、誰にとっても響く言葉です……。

「教えなくてもいいようなことかもしれないんですけどね(笑)。意外だったのが、自分の母親の友達である70代前後の女性たちが、反応を示してくれたことです。おばあちゃんたちには『何を今さら』と鼻で笑われそうだと思っていたら、【茄子のヘタの攻撃力をなめるな。】に、『言われてみたらそうだわ、痛いわ』『茄子のヘタの攻撃力はすごいよな』なんてご感想をいただきました。ほかにも、【聞いて! すっごいおもしろいことがあったんだ! って話始めるな。】にも、『私、ずっとそれ言っちゃってたわ。たしかにこれ言われたらおもろないな』と納得したとの感想をいただきました。70すぎて気付くことって意外とまだあるものなんだなと実感しましたね」

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有屋町はる

AVメーカー広報、実話誌編集を経てフリーライターに。現在は週刊誌にて、中年男性目線の芸能記事やピンク記事を中心に執筆中。U15アイドル周辺が好き。

強く生きていくために あなたに伝えたいこと