田中が「朝食は吸収率がよく、しっかり食べると太るので朝一番にまず白湯を飲む」「ミランダ・カーをマネて、毎朝ノニジュースを飲む」ことを話すと、すかさずこれに食いついたホラン。「みな実ちゃんの話を聞いていると笑いをこらえるのに必死で」とツッコミを入れ「いい年して何舌出してんだろ」と、田中お得意の舌出しポーズもdisる。「白湯を飲んでる自分が好きなだけ」などなど、全て否定していた。
このときは「女の妬みって怖い」という声もある一方「ズバズバ言ってくれてスッキリした」などとホランの肩を持つ声もネット上には多かった。しかし2年の月日が流れた今は違う。田中みな実はいつのまにか、女性向けファッション誌にも登場し、「実はいい子」「実は賢い」「実はストイック(筋トレが)」な頑張り屋アラサー女子というポジションに、ジョブチェンジしているのである。性悪エピソードも少ない。
ホランはおそらく読み間違えていたのかもしれない。田中はぶりっ子で視聴者をイライラさせている女性であるから、自分がそれに突っ込むと笑いが取れて、サバサバ女だということもアピールできる……と。
だが実際には、女性の共感を呼んでいるのは今や田中のほうだった。共感どころか一部の20代女性にとっては憧れの存在ですらあるかもしれない。そもそも局アナ時代は野暮ったい服ばかり着せられていたが、退社してフリーになってからは一気に垢抜けた田中みな実は、今やどちらかといえば女性ウケが良いほうのタレントだ。可愛い女性に「可愛い~」と声援を送るのが若い女性たちの特徴でもある。そして可愛ければぶりっ子くらい余裕で許される(可愛くなければ「ブスのくせに」と叩かれるが)。
2人は同窓生であることから、プライベートでは仲が良い可能性もあるが、ぶりっ子を貫きいつしかそれが世間に認められ、破局を乗り越えた田中みな実は時代の覇者であり、彼女に勝負を挑もうとすれば女性は皆破れる。田中を「ぶりっ子だ」と言えば負け惜しみにうつり、田中に「本性をさらせ」と迫るのは野暮すぎて呆れられる。近付いたらもう負けだと決まっているのだ。そう、こんなふうに田中について記事を書くこと自体、負けなのである。
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