セックスで男性が射精したあと、コンドームに溜まった精液は見ますか? ゴム越しだとサラサラなのかドロッとしているのか、精液の状態がわかりにくいとは思いますが。生で挿入してお腹に射精する“腹出し”、射精と同時にコンドームを外してからの腹出しだった場合、相手の精液の状態を見ることになりますね(AVじゃないのにそこで外す意味あるのかよ、というツッコミは本稿では置いといて)。
学生の頃、男子たちが(オナニーでの)飛距離だの発射量だの射精話で盛り上がっていた精液。年を重ねると精液の話題関連の話題は、「彼の精液は、いつもドロッとしてるのに昨日は水っぽかった。浮気したんじゃないか」など悩みを聞くことが出てきました。意外なことに、相手の精液の状態によって、気を揉んでいる女性って結構いるみたいですね。知人の女性は「精液の量がいつもより少ないのは浮気してる証拠だよ」と断言するのですが……。果たして、そんなことってあるんでしょうか。
「精液」という液体
そもそも精液ってどんな成分の液体なのでしょうか。射精時には色々な液体が合わさっている精液ですが、大きく分けて4種の液体で出来上がっています。
*前立腺の後ろに左右一対である、長さ5cmほどの袋状の精嚢(せいのう)器官で作られているのは、ゼリー状でドロッとした粘り気を出す「精嚢分泌液」:70%
*膀胱の真下にある前立腺で作られた、水っぽいサラサラした「前立腺液」:30%
*さらに、睾丸(精巣)で作られる“ガマン汁”でお馴染み「カウパー腺液」:少々
これらが混ざり合って、精液の完成です(※精液中に含まれる精子は1~5%と言われています)。様々な分泌液が混ざって出来上がっている女性の「愛液」と同じですね。
▼「濡れているのは、感じている証拠」は大きな誤解! 膣内は常に濡れている…!?
精液が少ないのはオナニーのしすぎ? 浮気してる?
では、射精時の精液はどんな状態であることが多いのでしょう。通常、射精直後は白濁(または黄白色)のドロッと粘り気のある液体です。10分ほど経過すると、(酵素の働きによって)ほぼ透明のサラサラした液体に変わります。
1回の射精で放出される精液のあれこれは個人差が大きく、同じ人間でも、その時の体調やホルモン状態などによって左右されます。前立腺液が多く出ること(サラサラ)もあれば、精嚢分泌液が多く出ること(ドロドロ)もある、ということ。放出する量に関しては、射精の瞬間に下っ腹に力を入れるタイミングが少しズレるだけでも変わると言います。
射精までの現象は反射的に起こるものです。射精とオーガズムは連続して起こるのが一般的ではありますが、それぞれ別のメカニズムのため「射精してるけどオーガズムではない」「オーガズムに達したけど、射精していない」ということもあり得るんです。
▼男性のオーガズム=射精だけ?「射精したか」にこだわる必要はない、という話
結論:精液の粘度や量で、浮気は見抜けません!
「女性の愛液の色でオーガズムかどうかがわかる!」といった間違った情報を信じ、女性の愛液チェックして一喜一憂している男性と同じですね……。「白濁でドロッとした愛液が溢れてるってことは感じてるんだねっ、ハァハァ」「愛液の分泌が少なかったけど、気持ちよくなかった? ショボン」……どっちも面倒くさくないですか? 誤った情報を信じて、精液をチェックして浮気を疑うのはもうやめましょう。
ちなみに、精液が水っぽい、量が少ないのは「オナニーのしすぎ」説もあります。そりゃ1日中シコシコしていれば少なくなってくるようですが、あまり関係ないようですよ。実際に、過去にお付き合いしていた男性とぶっ続けで8回セックスしたときは「もう出ない……」と言っていたことを思い出しました。
ゼリー状精液が続くなら病院へ
基本的には、体調や精神状態などによって変化のある精液なので、前立腺液の量や質が変わって精液がゼリー状になる事もあるようです。たまにゼリー状の精液が放出されても気にすることはありませんが、同じ状態が続くようなら、前立腺の感染性炎症「前立腺炎」が悪化しているおそれがあります。精液チェックをしている女性は、頭の片隅に留めておいてください。