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ハムスター食い北川景子の「汚さ」こそが魅力である理由

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「VoCE 2014年 02月号」 講談社

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 どんなに容姿端麗でも、成績優秀でも、あるいは高給取りであったり、素晴らしい善意の持ち主であったりしても、たったひとつの欠点で生理的に受け付けなくなってしまうことはあります。「○○以外は完璧なのに、○○のせいで大減点」――こうした絶対に譲れない好き嫌いを、誰しもひとつぐらいお持ちでしょう。私の場合、クチャクチャと音を立てて食べる人は大減点です(その音を想像するだけでちょっと不快な気分になります)。昨今ではこうした人を「クチャラー」と呼ぶそうです。

 クチャラー嫌いに限らず、食事のシーンにおいて、マナーや作法のチェックを無意識にしてしまう人も多いと思います。「箸の持ち方が下手な人は減点」だとか、「口の中にものが入ったまま話す人は減点」だとか……普段は特段、神経質というわけでもないのに、食事する相手に対しては、小姑のような厳しい視線を向けてしまうことはあるのではないでしょうか。食事を共にすることは親密な関係を作るものであり、古くから食卓は家庭の中心と考えられてきました。この点を考えると、食事のマナーや作法に神経質になってしまうのは、自然なことかもしれません。

 そうしたチェックは、芸能人の方々にも厳しく向けられています。これは一緒に食事をする相手ではないにせよ、テレビ画面に気になる作法が映ると不快になってしまう、という視聴者心理なのでしょう。テレビ局にクレームを入れる視聴者においては、左利きの人の食事シーンでさえも苦情対象になるそうですから、なかなかチェックが厳しいものです。直近では、女優・北川景子さんの食事作法が尋常じゃなく見苦しい、というのがネット上で話題になっていました。彼女の場合、明治大学卒の知性的なイメージで売っていることもありますから、余計に減点ポイントが目立つ結果となったのでしょう。

 北川景子さんといえば今日「清純派女優代表」、「本格派女優」として評価を得ながらも、さまざまな共演俳優との熱愛を報じられることから「共演者キラー」とも評され、またヘビー・スモーカー説や「『魔性のフェラテク』を持つ女」説などワイドショー・週刊誌に取り上げられるネタも豊富な存在です。もはや、「表の顔はキレイだが、裏側は真っ黒!」というキャラクターが定着してきているのではないでしょうか。昨年発売したオリジナル写真集の記念イベントで「27年間恋愛経験なし」ともとれる発言をして失笑を買ったことも記憶に新しいものです。

 しかし、北川さんの「表の顔の美しさ」と「裏の顔の真っ黒具合」とのバランス感覚に魅了される人もいるでしょう……というか、私がそのひとりです。

 彼女の映画デビュー作『間宮兄弟』の監督、森田芳光さんの告別式で号泣する姿が、ワイドショーで流れたのは2011年のことです。当時からすでに彼女は「共演者キラー」として有名で、次から次へと男を誘い込んでポイ捨てしている女の印象がありました。それだけに、彼女がスッピンでボロボロに泣き崩れる様子は驚きでした。正直な感想は「え!? ゲスい雑誌で悪女呼ばわりされてる彼女でもこんな泣き崩れるの!?」という失礼なものでした。しかし、彼女の涙は素直に私の心を打ち、「どうせ同情を呼ぶための演技だろ」というさらに失礼な疑念を抱かせることはなかったのです。

 すでに有名なことではありますが、北川景子さんのブログも毎回見逃せません。芸能人のブログといえば、広告収入目当てか仕事の宣伝、あるいは迂闊な発言による炎上の火種、というろくでもないイメージしかありませんが、彼女のブログはひと味違っています。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra

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