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「子供じみた大人」ではないアダルトチルドレンという問題

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photo by  Diego Dalmaso Martins from flickr

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 前々から書きたかったテーマがある。
 「アダルトチルドレン」について。聞き慣れない言葉かもしれないわね。決して、子供みたいな大人って意味じゃないのよ。読者の方本人でなくとも、その周りの人たちで少なからずこの問題が影響している人はいるんじゃないかしら。

アダルトチルドレンとは?

 幼少期を機能不全家族の中で育ち、大人になってからも子供時代に受けた心的ダメージを抱え、いろいろな場面で社会的な生活が困難となっている人々のことを指す。

 アダルトチルドレンは元々、アルコール依存症の両親の下で育てられ成人した人たちを指していた。現在では、『機能不全家族の環境で育った大人たち』という定義に変わっている。彼らは機能していない家族システムに適応することで何とか子供時代を生き延びるものの、思春期を過ぎてから感情や行動の面で障害を発症する傾向があるのだ。やがてそのような特徴は、酒害家庭に育った子供以外にも見られることが発見され、アルコホリックの家庭以外のケースもアダルトチルドレンと呼ぶようになった。

 機能不全家族とは、家族がお互いに思いやりを持って助け合うという『正常な家庭の機能』が損なわれている家庭を指す。わかりやすい例をいくつか挙げてみよう。

・親の愛を受けるために、常に親の意向に従わなければならない。
・表向きの家族の見え方を気にするあまり、家庭内のことが疎かになっている。
・夫婦関係が悪くて喧嘩が絶えない。親が情緒的に成熟できていない。
・家庭内の誰かが存在を否定されたり、バカにされたりということがある。
・過保護。子供に対して過剰な期待をかけて甘やかす。
・自立の機会を与えないといった過度の干渉。
・親が感情を制御できずに子供に当たる。(DV、虐待)
・アルコール、薬物、ギャンブルなどの依存症を持った家族がいる。
・親が子供を育てるという自覚がなかったり、子育てというものを全く理解できていない。
・親が子供を自分の所有物と認識している。

 どれも、両親が親としての責任を果たすための十分な精神的成熟が出来ていなかったことに原因が求められるわけだけど……簡単に言えば、親の人格に大きな問題があるということよね。本来、家族内での愛情は利害関係なしに注がれるもの。唯一、無償の愛を与え合えるのが家族だというのに……なんて不健全なのかしら。

 また、仕事が忙しくて家庭を顧みなかったり、親子のコミュニケーションをほとんど取ることができなかった場合や、生活水準が他の家庭と大きく異なって育った場合もアダルトチルドレンの原因となり得る。子供って、大人が思っているより遥かに敏感なのよね。 本来なら子供たちが信頼して甘えたり尊敬することができる両親が、その対象ではない。強い不安や恐怖を感じながら、子供が萎縮している。

「問題について話すのはよくない! 問題を感じるな!!!!」

 そんな身勝手な親のエゴを押し付けられて育つ子供が、大勢いるという。それは子供に「波風を立てるな」「余計なことを言うな」ということを学ばせてしまう。親の物理的・心理的暴力のはけ口として育った子は成人後も自己肯定感が持てず、相手の非合理的な期待に応えることすら生き甲斐となり、DVの被害者となったり、心理的に不安定な状況になることが多い。

 アダルトチルドレンをその語感から精神的に成熟していない未熟な大人、という間違った意味で捉える人間は多いが、そのような意味は全くない。むしろ、親の期待に応えようと常に緊張、あるいは親からの暴力などに身の危険を感じながら過ごし、感情を殆ど表に出さずに従順な子供時代を送った。そのため、空気が読める、人の顔色を察することのできる人に多くみられる。子供時代から非常にしっかりした責任感の強い人物であり、機能不全に陥っている家族を何とか正常な楽しい家族にしようとして気を遣い、家庭の雰囲気を和ませようと努力したりしていたのだから。

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アスモデウス蜜柑

好奇心旺盛な自他共に認める色欲の女帝。長年高級クラブに在籍し、様々な人脈を得る。飲み会を頻繁に企画し、様々な男女の架け橋になり人間観察をするのが趣味。そのため老若男女問わず恋愛相談を受けることが多い。趣味は映画鑑賞で週に3本は映画を見る。

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