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晴れ着の男性も! 「成りたい人になる」ためのLGBT成人式

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「女性=晴れ着」は当たり前じゃない。Photo by eri with d90 from Flickr

 寒い! もう何度「この冬一番の冷え込み」という言葉を聞いたかわからないけど、とにかく寒い朝だった1月19日、世田谷区のとある学校で、「LGBT成人式」が行われました。

 これはL(レスビアン)G(ゲイ)B(バイセクシャル)T(トランスジェンダー……体の性と心の性が一致しない人)問題を切り口に、互いの違いを受け入れあえる社会を目指す、早稲田大学のサークル『Re:Bit(リビット)』が主催するもので、今年で3回目を迎える。何歳でも、セクシャリティはなんでも、「成りたい人になる(=成人)」ことを目指したいなら誰でも参加OK。そして何よりスゴいのは、世田谷区と、世田谷区教育委員会が後援していること! な、なんてマイノリティへの理解が深いんだ、世田谷区。ちょっと引っ越したくなったぞ……(家賃高そうだけど)。でもなんで世田谷区なの?

「学生団体の1イベントとして終わりにするのではなく、地域ぐるみで『おめでとう』と祝っていただけるものにしたかったんです。だからまず、日本で初めて性同一性障害を公表した議員である、世田谷区議の上川あやさんに相談しました。そこから教育委員会などに繋いでいただき、世田谷区に後援していただけるようになったんです」

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LGBT成人式開催に尽力してくれた、上川あやさんHP

 と教えてくれたのは、主催者のひとりである藥師実芳(やくし・みか)さん(24歳)。3回とも区の施設を借りたけれど、学校で行うのは、実は今回が初めて。多くのLGBTにとって学校とは、身体的な性別で制服を決められたり、教師に「男はたくましく、女はおしとやかに」的な考えを植え付けられることもあったりした、苦い思い出の場所なのだとか。でもそこで成人式を迎えることで、「ありのままの自分」を肯定できるようになれるのでは――。そんな思いから、学校で式を開けることには大きな意味があると語ってくれました。

「元々知っていたけれど、ツイッターのTLを見て今年初めて参加した」というスーツ姿のりょうさん(19歳)は、地元の成人式には不参加。なぜならFTM(Famale to Male 体は女性だけど心は男性)の自分らしい衣装を着たくても、両親にはFTMであることを打ち明けられていないままだから。大学でも男友だちは仲良くしてくれているけれど、心の底から楽しめていなくて、自分を出せないまま。最近ではうまく笑うこともできなくなり、マスクを着けて外出することも多いのだとか。「でも少しでも、前向きな気持ちになれたら」と、東京の下町からやってきたと語ってくれました。

 りょうさんのように、「レディススーツではなく、メンズスーツがいいのに家族には言えない」というFTMの人、「本当は振袖を着たいのに、男性用礼服じゃないと旧友から奇異な目で見られてしまう」というMTF(Male to Female 体は男性だけど心は女性)の人、「同性の恋人がいることを同窓会で話せなくて居心地が悪い」という人など、不本意な服装で参加したり、成人式そのものを欠席するLGBTは意外と多いもの。でも、ここならありのままの自分を祝ってもらえるので、毎年参加する人もいるそう。

 会場の体育館に入ってみると、りょうさんや振袖姿のMTFの方など、すでに約200名の新成人が勢揃い。司会は元フェンシング日本代表の杉山文野さん。上川あや議員はもちろんのこと、世田谷区の保坂展人区長や区の教育委員会の堀恵子教育長、LGBTの先輩である豊島区の石川大我区議なども来場していて、なかなか賑やかな模様。

 そして13時を少し廻ったところで、いよいよ成人式がスタート! その模様は……次回お伝えします!

(文=久保樹りん)

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