元ホス狂いだった私は、ホス狂い風俗嬢の友人がいます。もともと風俗嬢だったホス狂いもいますが、ホス狂いになってから風俗嬢になった友人のほうが多いです。
ホストクラブはご存知の通り、お金がかなりかかる遊びです。年収300万程度のOLではそこまで大金を注ぎ込むことは難しいですが、風俗嬢なので、月100万円以上使う(いや、使わされる)人も少なくありません。
ホス狂い友人のひとりであるA子さん(20代)も、担当ホストをランキング入りさせるため、ほぼ毎月100万円以上を貢いでいました。煽ってくる担当のことを「ムカつく」と愚痴っていましたが、ほぼ毎日ソープ店に出勤し、真面目に勤務し、1日で大体4~10万円、一カ月で100万円以上の大金を稼いでいました。彼女もホス狂いを経て風俗嬢になったひとりです。
私がホス狂いを辞めてしまったのでしばらく疎遠だったのですが、この間、久しぶりにA子さんから連絡が来ました。「私もホス狂い卒業したよ」と。なんでも、担当と修復不可能な大喧嘩をしてしまい、急にホストに貢ぐことがアホらしくなってしまったそうです。
「じゃあ、これからは自分のためにお金使えるね」と言ったら、A子さんは「そうなんだけど、仕事のヤル気が全然出なくて」と、最近はあまり店に出勤していないことを話しはじめました。
「ホストに貢ぐ」のを辞めたことで、仕事のヤル気がなくなった
A子さんの話をする前に、先日風俗嬢をテーマにトークが繰り広げられた『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』(AbemaTV)のある一幕を紹介したいと思います。
番組中、風俗嬢の独立や起業、再就職をサポートしている風俗嬢情報メディア「NAISHO」編集長・泡典子さんが「風俗業界では、実家に仕送りをしていたり、親の借金のために働いていたりする優しい子が多い」とした上で、目先のお金欲しさに風俗嬢になった女性は「目先の利益だけなので(仕事が)続かない」と話していました。そして、風俗嬢に大切なのは「(働く)理由があるかどうか。(その理由が)風俗じゃなきゃいけないのかどうか」。「ちょっとお金がほしいからやろうってくらいでできる仕事ではない」と語っていました。
「ホストに貢ぐ」のを止めたA子さんは、まさに今、風俗で働く理由がなくなっている状態でした。「ホス狂いだった時は、『今日は最低でも7万円稼がなきゃ!』って思っていたけど、今は『生活できればいいから4、5万円あればいいや』状態になった。最近はめんどくさくて出勤時間と日数を減らしているレベル」と、仕事のモチベーションがなくなってしまったそうです。収入もホス狂い当時と比べると激減しましたが、そのぶん支出も減っているので生活に支障はありません。
出勤日数にうるさい店もあるでしょうが彼女のソープ店は出勤当日に「体調が悪い」などと言えば簡単に休むことができるそうです(それをしすぎると店側の反感を買うことになりますが)。A子さんは最近、「起きた時に『今日働けないわ』って思ったら即当欠(当日欠勤)の連絡いれる」といいます。それを繰り返したところ、最近スタッフの対応がどこか冷たくなっていて、待機時間(指名待ちの時間)も長くなっているそう。当たり前ですが、このままでは長く勤務したお店を去る日も遠くはないかもしれません。
「ホス狂いじゃないから、風俗は辞めていいと思うんだけど、他にしたい仕事がないし、楽にお金を稼げるからずるずる続けちゃってる。でも、この状態は正直まずいから、何かしらの目的を見つけて風俗を続けるか、ちゃんと昼職の仕事に就くか決めないと」とA子さん。
「ホストに貢ぐ」というモチベーションの良し悪しは置いておいて、どんな仕事でも働く理由は大事です。特に風俗は、危ないお客が来るリスクがあるし長く働けるか不透明だし仕事そのものに嫌悪感を向けられることもあります。ホス狂いを離れた今、A子さんがそこで働く意義はもうないようです。ホス狂い再開は避けてほしいところですが、元気を出してほしいものです……。