人間、生きていれば過ちを繰り返すものです。泥酔して家の中をホタルイカまみれにしたり、あり余る性欲を抑えきれずに女性用風俗を呼んでみたものの、待っている間に爆睡してしまって、鬼電に気付き震えあがる朝を迎えたり――誰かに迷惑や心配をかけては反省し「ちゃんとした大人にならねば」と武士のように襟を正してみては、またどこかで失敗を繰り返すのです……。
中でも私の頭を悩ますのはセックスでの失敗。私はプライベートでのセックスがだいぶ枯渇しているため、ほとんどがAV撮影内での珍事件になってしまうのですが、プロの男優さん相手でも「プチ失敗」みたいなものが起こります。
例えば、乱交ものの撮影時。ソファに手を据えて、バッグの態勢で挿入を待っていると、入り乱れている現場内で慌てた男優さんが、まさかの“穴間違い”。あてがわれたイチモツがお尻の割れ目あたりを刺激し、「ん、なんかちょっと位置がずれているような……」と思った数秒後、アスタリスクへの侵入をわずかに感じ取って「あ……あ……ストーーーーっプ!!!」となってしまったのです。男優さんはものすごい勢いで身体を離し、必死に謝ってくださっていたのですが、これ、もう少しぼんやりしていたら、穴間違いに気づかずにアスタリスクバージンを奪われてしまっていたのかもしれない……!! さすが戦場です。
でも、失敗体験の中ではかわいい話なのです。一番強烈に記憶に残っているのが、『平均年齢70.3歳以上の性交』という作品を撮った時のこと。確か4年ほど前の作品で、オムニバス作品の1シーンに収録されているので検索してもすぐには出てこないのですが、これが、またいろいろとすごかった。