松坂桃李(29)が主演するR18映画『娼年』。ふんだんなセックスシーンで松坂桃李がエロメン化しているわけだが、女性をモノ扱いしているわけではなく心の機微を描くことに成功しているとして、観客の評判はおおむね良さそうだ。しかし筆者にはどうしても納得のいかないことがある。肝心のセックス描写で、松坂桃李が腰をカクカク動かしすぎなのである。腰だけではない。腕も高速でガシガシ動かしすぎだ。高速手マンと高速ピストンは、出張ホストのやってはいけない二大NGのはず(というかそもそも出張ホストは挿入NG)。そのセックスシーンを振り返ってみよう。
松坂桃李が演じる、人生に目的を見出せない大学生・領(リョウ)は、スカウトされて男娼の仕事を始める。messy的に言えば出張ホストだ。しかも本番アリのイケメン出張ホスト。女性向け風俗おおいに結構、じゃんじゃんやってくれ!(でも本番はダメなんだぜ)と言いたいところだが、ちょっと待て。リョウは顧客の女性たちとの交流を通じて、人間的にも性技的にも成長していくストーリーなのだが、膣は高速で摩擦すればイクなんて単純な構造をしていない。スローなセックス、見せてくれよ。
※以下、完全に映画のネタバレになります
出会って5秒で合体よろしく、映画冒頭はもう合体シーンだった。松坂桃李のお尻のアップから始まるのだが、AVデビュー作の坂口杏里のお尻よりもキレイだが男のケツそのものという感じでリアルな質感。ギャル風の女(役名。演者は階戸瑠李)と交わり、正常位で盛大に高速で腰を振っているリョウ。ああ~んと絶頂に達したギャル風の女は、クールにイカせてくれるリョウに夢中の様子だが、リョウは女に冷め切っている。
出張ホストクラブを経営する大人の女性・静香(真飛聖)にスカウトされたリョウは、静香の娘で聾者の少女・咲良(冨手麻妙)と、静香の面前でセックスすることになる。いわば男娼テストだ。リョウは咲良をベッドに横たわらせ、高速手マンを繰り出す。その様子を横から全身がうつるように撮るカメラ。十分に潤ったと判断してゴムをつけずに挿入しようとするリョウだが、ベッドの枕元にあるゴムを咲良に渡されて「あ、ごめんなさい」てな感じで装着、挿入、ガンガン突く。はい0点で~す。静香もそう判断したのだが、とりあえずリョウは出張ホストとして働くことになる。
セックスの撮り方としてはロマンポルノに近く、モザイクを入れず局部だけは見えないように構図を工夫している。ただしプレイの構成はAVに近い。基本的に最初から最後まで高速ピストンでフィニッシュとなるのだ。絶対痛いだろう。
最初のお客は男を買いなれた美女・ヒロミ(大谷麻衣)。初回はエッチなしで焦らしプレイを楽しみ、二度目の逢瀬で高まりきったヒロミとリョウは、ラブホテルの一室に入るや否や激しいキッスをべろんべろんしまくる。からの、リョウのパンツをおろしてイチモツをくわえこむヒロミ、悶えるリョウ。立ちバックからの高速ピストンでエクスタシー、終了。うーん、激しめ。もちろん陰部以外は全部見えている。
次のお客はメガネのOLイツキ(馬渕英里何)で、リョウは彼女の部屋へ行き、その性癖にじっくり耳を傾ける。彼女は放尿を見られることで絶頂に達する女性で、仁王立ちになりジャーッと勢いよく放尿。リョウはそれをしゃがみこんでジッと見てさしあげる。その次のお客は、セックスレスの主婦(荻野友里)。このあたりはリョウが男娼として進化していることを見せるシーンで、濃厚な濡れ場という感じではなくサラッと進んでいく。
次に呼ばれたのは、泉川夫妻という年の差カップル。熱海の旅館で、NTRプレイを要請される。糖尿病で男性機能を失っており余命1年半だという泉川氏(西岡徳馬)は、目の前で妻の紀子(佐々木心音)をリョウに寝取らせ興奮。その様子を動画に撮影し、後日オナニーのオカズにするという。あくまでイメージビデオふうにしたいため、サングラスをかけて人相をわからなくするリョウ。サングラスかけたままセックスって笑ってはいけないNTRか。
荒々しいプレイをオーダーされたリョウは、紀子の服を荒々しく脱がせて「ここがええのか? ええのんかあ?」とばかりに言葉責めを繰り出し、バックで挿入しながら紀子の尻をスパンキング。赤くなるまで引っぱたき、乳房をわしづかむ。リョウのナイスプレイに興奮した泉川氏はペニスを出してシュッシュ。西岡徳馬がシュッシュ!? 西岡徳馬の放精!? ともかくここでも(荒々しいプレイを所望されたのもあって)リョウは高速ピストンを繰り出すのだった。松坂桃李の腰が壊れちゃう!
続きまして、男娼仲間の東(あずま)くんとクラブのVIPルームで戯れるリョウ。ソファで69的なポージングになり、フェラチオを受ける。東くんはウリ専ボーイもやってきたんだろうか。そんな東くんはリョウに「指の骨を折って欲しい」と要求、リョウは頑張ってボキッと折ってさしあげるのだが、映像で指は本当にあらぬ方向にイッてしまっており、エログロはアリでもバイオレンスは無理な観客は目を覆わずにはいられない恐怖シーンとなっている。
1 2