コラムを読み返してみると、「あれっ、なんでこんなこと思っていたんだろうか(てかこの表現、よくなかったな……)」というものもあるし、「この思いは相変わらずまったく変わっていないな」というものもあります。
初期と比べてみると、年々、男性に対して絶望しては諦めた部分があり、それと同時に、相手を受け入れられるようになった部分もどこか増えてきたような気がします。喪失と獲得は常にセットでやってくる、ということなのかもしれません。まぁ、こんな私がおこがましく言えたことではありませんが……。
愛とは何か、愛とはこうだと語れるほどの経験すらないけれど、答えなんて百通りあって当然でした。どれだけ仲が良くても、どれだけ長く一緒にいても、相手はまったく別の人間であり、他人であることには違いがなく、自分という人間を伝え続けなければ長く愛は育まれないものでした。
恋愛とは常に自分のプレゼンテーションの場であり、会議みたいなもので、「自分はこう思っているのでこうしていきましょう」と、妥協せずに伝え続けなければいけないのだな、と。そして、そういう忍耐力が足りなかったのかもしれません(なんだか反省文みたいになってきたぞ……)。とまぁ、至極大変な作業ではありますが、いつしか私もまた愛を感じる日が訪れ、愛がほしいと強く願うのであれば、こればかりはもがきながら貫いていかないといけないことなのかもしれません。
この5年間、セックスのありかただけでなく、ラブホの誘い方とか、AV業界のこと、セックスと結婚の関係性など、さまざまなテーマで書かせていただきましたが、最終回なら最終回っぽく、担当編集者さんが教えてくださった記事ランキングベスト5をお送りしたいなと思います。
■5位:性癖が合う人は本能で嗅ぎ取れる? 紗倉まな的「性欲分析」!
結構前の記事だけど、これ、そんなに上位だったんだ……驚き!
いまだに正常位が一番、ここはブレません……!
■3位:AV出演=人生崩壊?「紗倉まなの知るAV業界」と「さまざまな偏見」への葛藤
ちょっと真面目に語ってしまったら、いろんな反響があったんだよなぁ。好きなことには生きやすくありたいものです……。
■2位:「セフレ」と呼ばないで。付き合わないけど愛してる、そんな関係もありますよね?
そういえば、言い方ひとつで響きって違うなぁ、という発見から書いたのでした。「Dating partner」いまだにお気に入りの言葉です。
■1位:「AVと現実の違い」紗倉まながまるっとお答えします!
こ、これが一位なのかー! AVはやっぱり、どこかファンタジー。実際はもっと静かに温かく、布団の上で営まれるものであってほしいと私も思っております……。
本コラムを愛読してくださった皆様、本当に本当にありがとうございました。去年はmessyコラムをまとめたスタイルブックも発売させてもらったり、いい思い出ばかりです。自分の気持ちと葛藤の記録として、すごく大切なものになりました。寂しいですけど、またどこかの機会で、皆様とお逢いできますようにと願うばかりです。