フジテレビ系で毎週日曜日の21時から放送中の『全力教室~成功へのマジックワード~』は、芸能界を始めとするさまざまな分野で活躍しているその道のプロの方々を毎回講師に招いて授業を行う教養系バラエティー番組である。スタジオのセットは学校の教室をイメージしたもので、招かれた講師(番組冒頭では「全力先生」と呼ばれる)がその教室内に用意された教壇に立ち、毎回白熱した授業が展開されていくのである。各講師による授業テーマ毎に、対象となる一般人が生徒として集められ、その授業が実際に生徒たちの心に響いたのかどうかを検証している。また、授業後にはその講師を別スタジオに招き、MCである加藤浩次と高島彩の2人と共にその授業内容について、さらに深いトークを繰り広げていく。
2月23日に放送された同番組では、“アンチエイジング界の風雲児”と呼ばれる医学博士・南雲吉則(なぐもよしのり)を講師に迎えていた。他局のいろんな健康系テレビ番組で南雲先生をお見かけしているが、この日は1時間丸ごと南雲ワールドに包まれることになった。今回は通常放送パターンのように一般人生徒を教室に置かず、最初からMCの2人が生徒席の最前列に座り、その後ろにはケンドーコバヤシや鈴木奈々ら多数の芸能人ゲストで教室が埋め尽くされていた。同局で放送されている火10ドラマ『チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮』に出演中の伊藤淳史・仲村トオル・水野美紀の3人は、今回の講師がお医者さんということで、医師繋がりの番宣を兼ねてゲストに訪れていた。
「三大勘違い健康法」とは?
とても58歳には見えない若々しさを保っている南雲先生は、かねてから独自に編み出したという「トンデモ健康法」を提唱している。それを自らが実践し、そのアンチエイジング効果を実証しているという「南雲流健康法」が今回の授業テーマとなった。
南雲先生は自分の本業が、「乳がん治療などを行う乳房の外科医である」と自己紹介すると「最近では若返りとかダイエットのカリスマと呼ばれている!」と自ら自信満々にアピールしていた。高島アナから「ご自身で(カリスマって)言うのも珍しいですね……」と失笑気味に突っ込まれ、他の出演者たちの笑いを誘っていた。
そんなことは全く気にしない南雲先生は、早速授業を始めることに。生徒席にいた仲村トオルは、「アンチエイジングよりも、太らないほうにちょっと興味あります」と、南雲先生の授業に関心を示していた。高身長でスタイル抜群に見えるトオルさんは、自分なりに普段から太らないように気を付けて生活しているそうだ。しかし、もしかしたらそのやり方が間違っているということもあるので、南雲先生が授業を通して正しい健康法について解説していた。
最初に「三大勘違い健康法」と題して、間違った健康法が3つ挙げられた。
①スポーツをすると痩せて健康になる
②食べてすぐ寝ると体に悪い
③1日3食キチンと食べる
普通に考えると、全て健康法としては良いものである気がするし、南雲先生も以前はそれが良いものであると思っていたらしい。けれども、そのせいで20年前の38歳当時の自分の体は、今よりも老けていて肥満で、腰痛や不整脈も抱えていたのだとか。そこで、南雲先生は、「新しい健康法を編み出して、自分自身が若くならなかったら患者さんから信用されない!」と奮起して、いろいろな健康法を研究してきたそうだ。
自分の編み出した健康法を日々実践しているという南雲先生は、実年齢が現在58歳であるところ、骨年齢が28歳、血管年齢が26歳なのだとか! わ、若い~! そんな驚異的な数字を見せられて、ちょっと信じられないという空気が漂った教室。
まず1番目のスポーツについての解説から。「全ての動物の心拍数は20億回と決まっている」そうで、心拍数の早い動物は短命で、心拍数の遅い動物は長生きするというのである。それを踏まえた南雲先生の主張は「心臓は細胞分裂(修復)しない臓器なので、心拍数を上げ過ぎて負担をかけるとキケン」というものであった。普段から運動をしていない人が健康的にダイエットをしたいのであれば、激しいスポーツをするのではなく、ウォーキングなどの無理のない運動が効果的であるのだとか。
次に2番目の「食べてすぐ寝ると体に悪い」ということについて、南雲先生は「一番眠れるのは、ご飯を食べた後です」と断言。食後にすぐ寝ると、「消化・吸収がUPし、ホルモン分泌が正常になり、体が落ち着いている時に働く“副交感神経”が優位になる」ことで、睡眠の質が向上するのだとか。反対に、数時間空けて寝る場合には「なかなか寝付けず、消化不良を起こす」というのだ。食後にすぐ寝て、翌朝胃もたれを起こすのは食べ過ぎた証拠なので、朝食を抜けばいいらしく、胃腸を休ませることが大事のようだ。
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