先日放送が終了したドラマ『失恋ショコラティエ』(フジテレビ系)について、前回 に続きあれこれ言わせてもらうわよ。
私が最後まで爽太を許せなかったポイントはココ。
「セフレとかそういうのもう終わりにしない?……俺、サエコさんに告白するって決めたんだ」と告げる爽太に「そっか頑張ってね」とえれなは繋いでいた手を放そうとする。しかし、爽太はそれを握り返し「告白するのはケジメをつけるためだよ、ちゃんとフラれて終わりにしようって決めたんだ」と。そして「そういうのが片付いたらえれなとのことちゃんとしたい。そしたらえれなもちゃんと考えてくれるかな? 俺とのこと」と続ける。えれなは「どうしよう、今すぐ抱きついちゃいたい。でも今は駄目だね。告白頑張ってね」と、あまりに良い子すぎる反応をしたのだった。
それなのにバレンタイン前日、サエコさんに手作りのチョコレート持って行って10分以上も熱のこもった告白をし続けた挙句ちゅーとかしちゃってる爽太、もう絶望。都合よすぎ、無理ー! と叫んじゃったわよ。キープのえれなに待っててとかいいながら。サエコさんに答えも出されていないのにこれはひどい。
そしてホワイトデー、えれなと約束をしていた爽太だが、サエコが家を出てきたというので店に泊めることになった。店を出たものの、「サエコさん心細そうだったよな? もうちょっと付いててあげたほうが」と逡巡する爽太。いったんは、やはりえれなの家に行くと決めるが、携帯を忘れたことに気づき結局戻るしかなくなる。
そして部屋の前でノックをすると、向かいのシャワールームからバスタオル一枚で出てきたサエコが「携帯はこっちだよ」と手を掲げて見せる。爽太は呆然としながら「なんでサエコさんが持ってるの?」と手を伸ばすのだが、スッとかざした手を引き、挑発的な視線で見つめるサエコ。「サエコさん、無理だって……」と抵抗するも、バスタオルを落とし爽太の首に腕を絡めてキスを仕掛けるサエコに、爽太は簡単に陥落してしまうのだった。
あのね、いくらサエコのほうが大事だとしてもさ、大事な日にえれなと約束してたのよね、爽太くん。えれなに一報連絡入れるだけでも違うと思うんだけど。メールすら返さないって最低。料理とかワインとか一生懸命選んで待ってたんだけど。それから謝りの連絡もしないって、あれだけ期待させておいて音信不通? 馬鹿にしてんじゃないわよ???
ほんと、私同じことの経験があるからこそこれには本気でイライラしたわ。彼女なわけじゃないから責めることもできないしね。何も始まってなかったということが身に染みるだけ。ああ、切ない。
だけど爽太はそんなえれなの心情なんてまったく頭にないただのエロエゴイストでサエコさんはエロテロリストで、「間男に成り上がった」とかいう迷言を残してて突っ込んでも突っ込みきれないわ。何言ってんのアンタ。
後に爽太にショーの招待状を渡すためにショコラヴィを訪ねてきたえれなに遭遇した薫子は、爽太とサエコが上手く行ったことを告げ、「バカなんじゃないの!? そうやって良い子な態度貫いたって、結局彼女に負けたじゃないですか! 無駄なんですよ! 結局図々しい女が勝つんだって」と言い放つ。えれなは「ありがとうございました。爽太君のこと教えてくれて」と立ち去る。
本命が転がり込んできたことをちゃんとえれなに告げてくれる薫子さん、当てつけのつもりであろうとも、バッカじゃないの!? と怒鳴ろうとも、えれなにとってには一番優しいのよ、それが。相手が何を考えているのかもどんな状況にあるのかもよくわからない状態というのは、一番不安定になるもの。自分を投影しすぎているけど、あぁぁえれな辛かったわね。頑張ったわね。抱きしめてあげたい。
サエコさんは後半意外と良いことを言った。
爽太の妹であるまつりが、前の恋で失敗をしたため今の恋に流されてもいいのか不安だという相談に乗ったサエコさんは、「失敗したのは、信じたことが間違ってたんじゃないよ。信じる相手を間違ったんだよ」と一言放つ。これでまつりは本当に救われたと思うし、はっとさせられる内容だった、私も今まで信じる相手を間違ってきてひねくれた。それでも人を信じたい気持ちは捨てきれない。怖いけど、人を愛するために人を信じたい。間違えた分だけ幸せになってやろうと思ってる。
「お菓子だって、味が美味しいだけで十分なのに、それでも売るためには形や色を可愛くしたり愛される努力が必要なんだなって思うし。意識的にでも、無意識的にでも人の気を引く努力をしている人が、好かれているんだと思うんですよね」
そうそう、努力もせずに「私のことわかってくれない」なんて嘆く女が売れ残るのは当たり前。でも、それっていつまでもつんだろう。サエコのキャラが本物じゃなかったらずっと続けていくのなんて疲れるしボロが出るでしょう。ありのままの自分が愛されないならそういった努力はある程度必要だけど。無理して繕ったりしなくても意外といい男なんてそのへんにたくさんいるし。
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