そして、たけしさんとタモさんは、かつて2人とも番組スタッフからの評判が悪くて、酷い目に合わされていたという話題で意気投合していた。2人とも素人扱いをされていたらしく、タモさんはスタッフから「こんなもの5年持つわけねぇ、3年でせいぜいだろう」と言われたこともあったのだとか。すると同じようにそんな言われ方をしたことのあったたけしさんが、
「俺はタモさんだけダメになればいいなぁと思ってたんだけど、俺だけでも生き残ろうと思ったんだよ」
「したら、2人とも生き残っちゃったよね~」
とスタジオを湧かせながら、芸能界で生き残ったお互いの道のりを感慨深げに語っていた。このビッグなお二人が楽しそうに話しているのを見ているだけで、私はとても幸せな気持ちになった。何より、最終回の『いいとも』でタモさんが楽しそうにしているだけでもう、嬉しかったのである。芸能界における下積み時代の境遇が似ていて、気心の知れているたけしさんが大トリのゲストで本当に良かったと思う。
さらに、以前の「テレフォンショッキング」システムにあったように、明日のゲストに電話をすることになった。「番組が終わるというのになぜ電話を?」と驚いたのだが、たけしさんが電話を掛けた相手はさんまちゃんであった。出たっ! BIG3~! そして、タモさんの「明日大丈夫?」に「いいとも~!」と元気いっぱいで応えていたさんまちゃん。「今日で番組終わりのはず……」と不思議に思いつつも、拍手喝采となるスタジオであった。
(これがこの日の夜に放送された特番『グランドフィナーレ 感謝の超特大号』の振りとなって、「夜版テレフォンショッキング」コーナーのトップバッターにさんまちゃんが登場したのであった。なんとも粋な演出である!)
最後の「いいとも!」
ラストコーナーは「曜日対抗 いいともCUP FINAL」。各曜日レギュラーのリーダーが集結し、ゲーム対決が終わると5枚の掛け軸が垂れ下がった。「タモリさん・32年間・本当に・お疲れ様でした・そしてありがとう」と、月曜~金曜のレギュラーリーダー5名による直筆掛け軸でタモさんに感謝の意を表していた。
番組の最後にはギネスブックのスタッフが登場し、タモさんは「生放送バラエティー番組 単独司会最多記録」の認定証が授与された。合わせて『いいとも』の番組自体にも「生放送バラエティー番組 放送回数最多記録」の認定証が歴代のスタッフ(放送作家の方々)に授与されていた。長い間たくさんのスタッフの方々に支えられた素敵な番組なのである。
そして、番組終わりのタモさんの恒例の掛け声に注目が集まった。涙を一切見せずに笑いながら拳を挙げてタモさんが発したのは、
「そいじゃあ、また明日も見てくれるかな~?」
ほんの一瞬スタジオ中が困惑するも、そう来たらやっぱり返すのはこの言葉しかない。
「いいとも~!!」
番組のラストは大量の紙吹雪と共に幕を閉じたのである。タモさんは、ずっと笑っていた。最後までほんとに番組タイトル通りに『笑っていいとも!』であった。それを見ていた私はずっと涙が止まらなかった。とうとう終わってしまったのである。『いいとも』でタモさんが本気でふざけたりするところとか、すっごく可愛らしかったなぁ。素人さん参加の面白いコーナーもたくさんあったなぁ。タモリさん、32年間もの長い間、本当にお疲れ様でした! もう、ありったけの感謝しかありません……。『森田一義アワー 笑っていいとも!』に関わった全ての皆様、ありがとうございました‼ お昼に素晴らしき笑いの時間を届けてくれた『いいとも』にバンザイ!
■テレ川ビノ子 / テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。おもしろテレビ万歳!
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