渡辺直美(26)がプロデュースするアパレルブランド「PUNYUS(プニュズ)」の1号店が東京のSHIBUYA 109にオープンした。ぽっちゃり向けファッション誌『la farfa(ラ・ファーファ)』(ぶんか社)のカバーモデルを務める等、持ち前の立派な体格を武器にふくよかな女性のおしゃれを応援してきた彼女がついにブランドを立ち上げたとのことで、オープン早々大きな注目を集めている。
「PUNYUS」の洋服は、フリーサイズから6Lまでという幅広いサイズ展開が特徴で、ファッションを楽しむ全ての女の子をターゲットに様々なファッションを提案していくという。なお、今季は「60’s」「90’s HIP HOP」「Safari」「HARAJUKU STREET」というテーマで、目玉焼きやレタス等のフード柄のアイテムや渡辺の顔をモチーフにしたワンポイントの刺繍が入ったトップス等がラインナップされている。
このことにはネット上でも大きな話題になっており、「太っている人のおしゃれ」について様々な意見が飛び交っている。
「これで痩せ推奨の流れを変えて欲しい」「ぽっちゃりさんだけじゃなく妊婦さんにも朗報」と好意的な見方をする人もいれば、「こんな派手な服をデブが着てたら余計うっとうしい」とネガティブな反応も見受けられ、またショップが109内にあることに関して「マルキューにぽっちゃり系は合わない」「もっと落ち着いた場所にあった方が太っている側としても入りやすい」「絶対109の他のショップの店員に笑われてる」と懸念するコメントもあった。
加えて、プロデューサーである渡辺について「明らかに肥満だし不健康すぎる」「太ってて何が悪いの? って開き直った感じが嫌」という指摘もあり、「ハリセンボンの近藤春菜や柳原可奈子は太っていても可愛いレベルだが渡辺は太りすぎ」と、「良い肥満・悪い肥満」のボーダーラインを提示する人も現れた。身長159cmの渡辺だが、デビュー当時は約70kgだった体重が今では95kgにまで増えているということから、確かに健康面に影響がありそうな数値といえる。
ただ、世の中の太っている人々は皆ただの食べ過ぎで肥満化しているわけではなく、中には体質や病気でどうしても太りやすいという人もいるだろう。それは逆もまた然りで、本人の生活習慣や意思とは関係なしに全く太れず、ガリガリの体型に悩む人もいるはずだ。そもそも個々の身長・骨格・体重が統一されるなどありえず、それぞれの体質によって体型が異なるのは当たり前のこと。その大前提を無視し、昨今のトレンドアイテムは明らかに細身の体型向けに作られているものも多いのが実情で、また多くの種類のダイエットの流行により、痩せていることが美しいという風潮が強くなっている。
こうした現状の中で、これまで「太っているから可愛い服が着られない」と悩みを抱えていた人に向けたファッションアイテムが普及することは、おしゃれを楽しむ人が単純に増えるということで、それは日本のファッションカルチャーが豊かになることにつながるはずである。ファッションを楽しむ前提として「痩せていること」が必須であるのはファッションそのものの可能性を狭めることにもなりかねないし、「太っている人のおしゃれ」という新たな需要が増えることはビジネス面においてもメリットがあるのではないだろうか。
決してぽっちゃりを推奨するわけではないのだが、何事においても選択肢が広がることはプラスといえるだろう。お笑い芸人としてその恰幅のよさで笑いを取りつつファッションモデルを務め、さらにはブランドプロデュースまで手がけるという「デブ界の星」になりつつある渡辺には、日本のファッションカルチャーを大いに盛り上げていただきたいものである。
(シュガー乙子)