昨年TBS系で放送され、社会現象になるほどの大ブームを巻き起こした堺雅人主演のドラマ『半沢直樹』。その大人気ドラマを生み出した制作スタッフが再集結し、同じく日曜劇場枠で『ルーズヴェルト・ゲーム』という経営危機に立ち向かう企業と、所属する社会人野球部の存続をテーマにした骨太なドラマを4月27日からスタートさせた。
主演に唐沢寿明を迎え、共演者には江口洋介や香川照之を始めとする豪華キャスト陣が名を連ねている。制作スタッフが同じせいか、『半沢』で脇を固めていたキャスト陣が今回の新ドラマでも大量に起用されており、『半沢』の続編なのかとちょっと混乱してしまうほどであった。
まぁ、同じ池井戸潤作品が原作とはいえ役柄も内容も全く違うので、「『半沢』の時はすごい嫌なヤツだったけど、今回はいい人そう~」などと違いを感じながら見てみるのも面白いだろう。香川さんに関しては、今回も“嫌なヤツ”枠を踏襲しているようで、今後どんなワルぶりを発揮してくれるのか楽しみである。初回放送を見たところでは『半沢』同様に主役を苦しめる役回りらしく、この先、唐沢VS香川版の「眼力対決」が拝めるかもしれない。
そんないろいろな期待が膨らむ新ドラマの番宣を引っさげて、唐沢さんが25日に放送された同局朝の情報番組『いっぷく!』にゲスト出演していた。先月、惜しまれつつ終了した『はなまるマーケット』の後継番組としてスタートした同番組では『はなまる』で人気コーナーであった「はなまるカフェ」のような、「いっぷくトーク」というゲストを招いたトークコーナーがあり、“おめざ”に代わって“おもたせ”という、ゲストお勧めの食べ物などを紹介している。
通常、この“おもたせ”はゲストが指定した商品を番組側が用意するのであるが、唐沢さんは違った。『はなまる』の時には、たまにゲストが自ら料理をしてもてなすこともあったのだが、そういうわけでもなかった。唐沢さんはお勧めの一品を作り出す料理人である「うさぎ食堂」の森さんという方と一緒に「いっぷくトーク」に登場して、おしゃべりしている間にスタジオ内のキッチンブースで彼に調理させていたのである。唐沢さんが連れて来たその森さんとのエピソードがぶっ飛んでいて凄かった。
なんでも、中国に“拌麺(ばんめん)”なる料理があるらしく、唐沢さんが中国に行った時にその味に出会って大変ハマったそうだ。そこで、知り合いの料理人であった森さんをわざわざ上海まで連れて行ってその“拌麺”の味を盗ませて、日本でも食べたいとお願いしたというのである!
な、なんて本気なの……。いくらその味が気に入ったからって、料理人を中国に派遣してまで本場の味を習得させるなんて! やはり、スターはやることが違うんだなぁ~。これには番組MCの国分太一も呆気にとられてしまっていた。レギュラーコメンテーターの岩下尚史も「殿様みたいなことしてるんですね~!」と驚嘆するのだった。
そんな本場仕込みの“おもたせ”の出来あがりを待ちながらトークが進んだ。およそ50歳には見えない唐沢さんの若さの秘訣を太一くんが尋ねると、照れ臭さを隠したいのか、
「朝起きたら、まずは特殊メイクですよねぇ」
と、澄まし顔でサラッと冗談をかましてスタジオを笑いに包んでいた。実際は「適度な運動」と「楽しく暮らすこと」らしい。さらに枡田絵理奈アナから「若くいるためのコツ」について尋ねられた唐沢さんは、
「人の陰口を叩いたりしないでキレイに生きることですよ」
と、意外にもシンプルで素敵な回答をくれたのだった。時々真面目な一面も出すのだが、それすらも唐沢さんにとってはジョークだったのかもしれないと勘繰ってしまうことが良くある。顔は凄い真面目そうなのに、コメディアンっぽさがどうにも垣間見えてしまうのだ。それが彼の魅力でもあるだろうし、おふざけしちゃう唐沢さんはとても好感が持てる。
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