「カワイイ」に秘められた意味
あとの半分を占める“社交”の部分については、「三項関係(さんこうかんけい)」というものが影響しているとのこと。「カワイイ」という感覚を共感しないと女性同士の仲が崩れるそうだ。女性同士というのは「モノを介在させてコミュニケーションをする傾向がある」のだとか。なので、男性は女性が「カワイイ」と言ったモノに対して「カワイイね」と返すことで「話がわかる男性」と認識されるそうだ。実際にはそうは思っていなくても、「カワイイ」をオウム返しするだけで、男性は自分の魅力ポイントを上げられるというわけである。割と簡単なモテテクなんですねぇ~。
さらに、女性同士は「否定を共感すると強い友情が生まれる」のだとか。つまり、
○肯定の同意→友情が生まれる
○否定の同意→より強い友情が生まれる
ということになるらしい。そして、「カワイイ」を共感するかしないかで、仲間かどうかを判断しているそうだ。マーケティング評論家の牛窪恵先生によれば、そういった共感についての判断は「女性同士の暗黙のルール」で行われているとのこと。なるほど~、女性にとって「カワイイ」というワードは仲良くなるための重要なアイテムだったのである。
また、「カワイイ」にはそれ以外にも要素があるらしく「『カワイイ』と言うことで自分の顔が可愛くなる」のだとか。印象評論家の重田みゆき先生によれば、母音が「ア」と「イ」しか出て来ないという「カワイイ」を発音することで、自然と「歯が出て可愛い表情になる」というのである。女性は本能的にそれがわかっているらしい。
そんな中で驚きの理論を解説してくれたのは認知科学評論家の中野信子先生であった。なんでも、女性は女性同士でいる時に緊張状態に置かれているので、それを緩和させて争いを避けるために「カワイイ」ワードを投下しているそうだ。そこで中野先生は、
「『カワイイ』は、生存競争を避けるためのマジックワード」
というなんとも壮大な決めゼリフを放ったのであった。いつの間にか話がでっかくなっちゃった~! MCの明石家さんまも、まさか“ゆるキャラ”や“E.T.”が「カワイイ」という話題から「女性の生存競争」だなんて予想外にもほどがあるところまで話が及んでしまい、半笑いで驚くばかりであった。質問した2人も同様に驚きまくり、若干引いていた。
女性同士の何気ない「カワイイ」発言に、こんなにも壮大で色んな要素が秘められているなんて! 男性は女性が何かに対して「カワイイ」と言っていたら、「どこがカワイイんだ?」「理解できない」なんて首を傾げずに、「カワイイね」と一言同調してくれれば、それで充分なのである。そんな風に男性に理解してもらい癒されることで、女性は“女性同士”という日々訪れるいくつもの戦場に力強く立ち向かえるのだから……。
女性たちがカワイイものが大好きでカワイイと言い合っちゃうのは、本能的に危機管理能力が長けているせいだったのだなぁ。「カワイイ」ワードに備わるまさかの効能と偉大さに驚かされまくってしまった放送であった。
■テレ川ビノ子 / テレビが大好き過ぎて、頼まれてもいないのに勝手にテレビを全般的に応援しています。おもしろテレビ万歳!
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