「初めてのラブグッズを選ぶ基準」について訊かれると、以前は太さや長さを考えていましたが、いまは、安全な素材のものさえ選んでくれれば、あとは「かわいけりゃイイじゃ~ん」と思っています。いえ、適当になったわけではないですよ。こうしたグッズは家電と違って、スペックを突き詰めるより、感性で選んだほうが間違いないと考えるようになったからです。
サイズが1~2mm違ったところで、あまり関係ないんですよね。ノリノリで楽しんでいるときは、意外と大きなものでもすんなりイケるし、緊張してがちがちになっていたら小さなものでも入りにくい……。グッズを初めて使うとなると、リラックスしまくっていることはないと思うので、小さめが無難ではありますが、サイズはそこまで重要ではないと思うのです。
でも、「かわいい」の基準は人それぞれ。ラブグッズを語るときにはよく“女性目線”という言葉が使われます。女性の琴線に触れるデザイン、女性の身体のことを考えた機能性ーー私もそれらが盛り込まれたものを支持しています。だって、男性目線のグッズって、エグいのばっかりなんだもん。デザインをかわいくするぐらいはできても、結局、女性の身体の構造を無視した挿入不可能なバイブを作っちゃうんだもん。
というわけで、その大半を男性が企画し、デザインしている国内のグッズよりも、ハイセンスな海外製グッズにばかり目が行きがちでした。しかし、それを覆すラブグッズ・ブランドと出会ったのです。その名前は「BURGER」。なんとこちら、野郎ふたりで起ち上げたのだとか。でも「え~、オトコが作ってるの?」と引いちゃうのは、まだ早い。まずは、そのポップな世界観を見て!
デザイン系のラブグッズは、どちらかというとフェミニンでエレガントなものが主流です。けれどBURGERのアイテムは、それとはまったく別方向からのアプローチ。ローターが中心ですが、ソフトクリームの形だったり、アイスクリームっぽいけど実はドクロの形だったり……遊び心にあふれています。ウサギやネコやクマといった動物モチーフは他にもあるかもしれませんが、その子たちが緊縛されているなど、ちょっとした毒も感じます。さらには、ピストル型ローターまで! どれもカラーリングが超~キュートなので、手錠なんかはアクセサリーとしてバッグに付ける人もいるそう。
シリコンへのこだわり
男性ふたりで作って、こう来るとは思わなかったなぁ、と若干、失礼な感想をもらすと、「僕ら、もともとアダルトグッズ屋じゃないから、ゴリゴリなのが作れないんですよ」と謙虚な回答。ゴリゴリってつまり、昔ながらの電動コケシ的なおもちゃってこと?
「それもありますけど、女性の身体の構造が実際にはわからないから、バイブを作るにしても長さや角度をどうしていいのか、わからないんですよね。だったら、その制約がないローターを作ろう、と。ほんとうの意味でのジョークグッズにしたいと思ったんです」
おとなのオモチャ類はすべて「ジョークグッズ」とされます。品質は保証しない、何かあってもユーザーの責任ですよー、というのが本来の意味でしたが、彼らが言っているのは「持って楽しい気分になるグッズ」という意味だと私は解釈しました。だって、ここのグッズは、ひと味変わったかわいさで明るい気分になれるだけでなく、すごく安全だから!
「もともと僕らはシリコン屋なんです。香港の工場では、工業製品から、清潔が命の医療器具、デザイン重視のiPhoneカバーまで幅広く手がけていました。だからクオリティには自信があったんです」
シリコン製は清潔で肌にダメージもないので、私も絶対的に信頼しています! でも、わからないことがひとつ。グッズのパッケージには、医療器具にも使われるレベルのシリコン素材という意味で、「メディカル・グレード・シリコン」と書いてあるものもあるけど、ひと口にシリコンといっても、けっこう品質って違うんですか?
「ですね。シリコンの原料は天然石ですが、混ぜ物を多くすると質は落ちます。うちのアイテムは見かけはかわいいですが、シリコンの質は本格的ですよ!」
これって私が勧める「安全な素材のものを選べば、あとは見た目で決めてOK!」なファースト・グッズに最適ってことじゃないですか。しかも、野郎2名の、ややむさくるしい(失礼!)ルックスとは裏腹に、意外と細かいところまで気が利いているのです。
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