一昨年発売の「漫画ナックルズ」、昨年発売の「BLACK・ザ・タブー」(いずれもミリオン出版)で、“最強追っかけ女”こと、秋本志保さんという女性のインタビュー記事が掲載された。彼女は、六本木ヒルズの一室でホステスの女性とともにMDMAを服用し女性が死亡した……という事件で裁かれていた押尾学や、覚せい剤取締法で逮捕された女優・酒井法子、そしていわゆる首都圏連続不審死事件で殺人などの罪に問われている木嶋佳苗といった名だたる被告人の裁判に出没し、被告人のファンとしてテレビ局のインタビューを受けていた女性だ。当時から“この女性は何モノだ?”とネットで騒がれ、どうしても気になった筆者が取材を敢行した次第だ。
そんな秋本さんがまた世間の注目を浴びることになったのは、今月3日、覚せい剤取締法などで逮捕、起訴された歌手のASKA(本名・宮崎重明)被告が保釈された際のことだった。湾岸所前で“出待ち”していた秋本さんにまたテレビ局がインタビューを行い、ニュース番組などで報道されたのだ。ネットでは“また『あの女』が出没”などと騒がれ、果てはマスコミによるヤラセ要員なのではないかという疑惑の目を向けられる事態となった。
しかし、彼女はヤラセ疑惑など吹き飛ばさんばかりのバイタリティで、昔も今も追っかけのために日本はおろか世界中を駆け回り続けているようである。
――秋本さんがネットで騒がれたのは主に、犯罪者の裁判で傍聴希望者としてインタビューを受けている映像ですよね。押尾学やのりピー、そして木嶋佳苗。ヤラセじゃないかと騒がれていましたが、秋本さんはあのようにメディアが殺到するような裁判以外でも、傍聴に行かれていますよね。私が『フラワー事件』での関東連合の下っ端の裁判を傍聴していたとき、秋本さんが前に座って傍聴していたのを見かけましたし、裁判所ではたびたびお見かけします。少なくとも東京地裁の傍聴マニアたちは秋本さんがヤラセじゃないことを知っていると思いますよ。
秋本さん(以下、秋)「ありがとうございます。ヒムロックの実家に放火した女の裁判を傍聴しに群馬の裁判所に行ったりもしました。東京地裁だけじゃなくて、気になる裁判があれば地方へも行きますね」
――今回大きく騒がれるきっかけになったのはASKA保釈のときに湾岸署で“出待ち”していた際にインタビューされたことだと思いますが、ASKA被告のことも好きだったんですか?
秋「ええ、“飛鳥涼さん”の時から好きです。私は小学校6年生の時に初めて“トランペット鼓隊”に志願してトランペットを吹いて――トランペットという楽器は音が出せるようになるまでに毎日4時間練習して2カ月かかる難しい楽器なのですが、私の場合も夏休みの集中特訓や学校での泊まり込み合宿を経てやっと音が出せるようになりました。そして初めて楽譜を貰って吹いた楽曲が、飛鳥涼さんの『パラダイス銀河』と『ガラスの十代』だったのです。『トランペット初心者の自分にもこんなカッコイイ楽曲が吹けるものか!』と感激させてくれた飛鳥涼さんは今でも私をトランペットに導いてくれた恩人です! そして大好きなメロディーメーカーなのです!」
――そんな昔からのファンだったんですか! 秋本さんは犯罪者だけじゃなく、あらゆる有名人の追っかけもやっている。追っかけデビューは何歳のころでした?
秋「3歳から地元の『きらく呉服店』にやって来た和泉雅子の追っかけをやっていたので、今年で36年目になります」