インタビュー

aikoの抱える悲壮感に胸を焦がす、aiko好き男子の心理

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星野源には敵わない

非常に楽しそうに『別冊カドカワ』のページを繰る大熊さん

非常に楽しそうに『別冊カドカワ』のページを繰る大熊さん

大熊「逆にお聞きしたいんですが、ここまで僕はaikoの音楽性のヤバさについて話してきましたけど、どうですか、この一時間であなたはaikoのことを好きになりました?」

――もとから好きですよ。

大熊「より好きになったりしてないですか?」

――より好きになってはない。

大熊「そうですか。やっぱり。aikoの魅力について僕がいくら訴えたところで、基本的に相手には伝わらないんだろうなって諦めが、もうどっかにあるんです。だから、僕が長い時間をかけて醸成してきたaikoへの恋愛感情みたいなものを、恋人なんかに30分や一時間でプレゼンしろって言われてもできないんですよ」

――aikoともし出会えたら恋人と別れますか? aikoがもし「信くん、あたしと付き合おうや」って言ってきたら。

大熊「恋人ができるたびにそのことは考えます。でも、aikoが僕を求めてくれたときに、aikoを取らないっていう想像はできたことがないです」

――じゃあaikoから来るんじゃなくて、自分から行くっていうのはどうなんですか? あくまで「aikoに求められるなら」って受け身なんですか。

大熊「そのシミュレーション、今始めます? まずaikoに今、彼氏がいないってことですよね?」

――いてもそんなの別に良くないですか?

大熊「もしその付き合ってる男が星野源だったら、もう無理ですもん」

――そうですかね。

大熊「はぁ。星野源って何だか知ってますか?」

――知ってますけど。星野源は日本のサブカル王ですし、こじらせ女子にあんなに好かれていながら、こじらせ女子嫌いって言ってのけた、強いヤリチンですよね。

大熊「ヤリチンかどうか知らないですけど、まあだから日本の頂点ですよ。サブカル男子の。そんな人間に勝てるわけないじゃないですか」

――aikoがサブカル界の頂点を絶対的に好きだとは限らないじゃないですか。

大熊「そこって男のダメなところではありますよね……自分でレベルを定めて、行動を制限してしまうっていう」

――自分は星野源には敵わないと思っちゃうんですか?

大熊「思います。星野源、敵うわけがないと思います。だって星野源ですよ?」

――私は星野源は全然好きじゃないです。あれが男の頂点ですか?

大熊「……誰が好きなんですか?」

――内田篤人です。あと妻夫木聡。

大熊「妻夫木が目の前に現れて、柴咲コウと付き合っています。柴咲コウから、あなたが妻夫木を奪えると思います?」

――場合によっては何とかなるかもしれないですよね。

大熊「いやその思考回路は恐らく一般的じゃないと思いますよ」

――だって、妻夫木と私、すごい気が合うかもしれないじゃないですか。

大熊「目の前で柴咲コウと妻夫木がすごく仲良さそうにしているのを見てもそう思える?彼女よりも私の方が妻夫木と気が合う可能性があると?」

――ありますよね。だからちょっと話してみようよーって思います。

大熊「一般的には違うと思います」

――そうですか。で、星野源はなんでaikoを好きになったんでしょうね? まあすでに別れている可能性も高いですけど。星野源って、「可愛くなる努力をしてる子が好き、卑屈な女はムリ」って堂々と言ってる人ですよね。

大熊「サブカル男子はそういうのばっかりですよ。だって自分のいるコミュニティ内で、サブカル女子の病んでいる感じとか目の当たりにしてるわけですから、病んでるコよりも快活なコが好きってなるんじゃないですかね?」

――ピースの又吉もギャル好きですもんね。

大熊「そうそう、まさにそういう話です。あと同じ趣味を持つ女性のことはそんなに好きになれない場合もあるんじゃないですか、特にサブカルチャーは」

――どっちかが知識量をひけらかそうとしたり。

大熊「もうろくなもんじゃないですよね、そんなことになったら。聞いたこともねえようなヤツを当たり前に知ってる前提で話し出したりしますもんね、サブカル界隈。その場でグーで殴りたくなるじゃないですか」

――殴っちゃえばいいんじゃないですか、ケツとか。

大熊「だからサブカル同士はダメだって話なんです」

――サブカル同士でお付き合いしてダメだった経験があるんですか?

大熊「特にないです。一般的な話としてです。サブカル女子は嫌だなって思いは僕もあるので、サブカル女子とは付き合っていません」

――aikoのパブリックイメージって快活で積極的な女性だと思いますけど、そうなると、星野源が彼女に惹かれたのは必然だと。

大熊「あ、そこですよ。aikoはパブリックイメージではサブカル感がないじゃないですか。でも普通に考えて、やってることとか、元々音楽の専門学校に通ってたとか経歴とかデビュー当時のファッションスタイルとか、どう考えてもサブカルなんですよ。表面的に明るい女性像でメディアに出て恋愛の歌をガンガン歌っているから、受け取る側がそれをただ見落としてるだけなんですよね。だから彼女が星野源に惹かれるのは当たり前ですよね。サブカル女子はサブカル男子が好きじゃないですか。で、星野源はaikoのパブリックイメージから“病んでる系じゃない”と判断して交際に至ったのではないかと。でもaikoは一見快活に見えるものの、その実、すごく病んでると思いますけど」

――病んでると思います?

大熊「病んでるんじゃないですかね」

――どうしてそう思うのですか?

大熊「僕はaikoから、ものすごい悲壮感と切迫感を感じるんですよ。そしてそこに惹かれてもいるんです」

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