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「愛」を喧伝するための結婚に意味はある?~はあちゅう×林永子【炎上対談】後編

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はあちゅう『恋愛炎上主義。』ポプラ社

はあちゅう『恋愛炎上主義。』ポプラ社

 「結婚はしない」と言い切るコラムニスト・林永子と、「30歳までに結婚したいな」と願う有名ブロガー・はあちゅう。水と油のような2人がセッションしたらどんな化学反応が起きるのか? 雷鳴轟く6月下旬の某日に、対談が実現しました。

■前編:はあちゅうの「守られたい願望」をひもとく~はあちゅう×林永子

■中編:嫌われたくないけど、炎上はさせたい~はあちゅう×林永子

収入やルックス重視? はあちゅうの恋愛観とは

永子「お見合いの失敗談、なかなか強烈でしたね(笑)。本にも時折出てきましたが、はあちゅうさんってこれまでどんな男性とお付き合いしてきたの? それが恋愛観や結婚観とどう関係しているのかがすごく気になります」

はあちゅう「私のブログのファンだという人と付き合って3カ月で終わったこともあれば、漫画喫茶で出会って10分でキスした人と3年半付き合ったり、バスの中で出会った人と6時間後にキスして、結果3年付き合ったこともあります」

永子「どれも気になる! じゃあまずは最初の。ネットであれだけ顔出しで発言してるわけで、やはりファンの男性から言い寄られたりすることもあるんですね」

はあちゅう「そのブログのファンは大学生のときに付き合った男性なんですが、元々ブログのコメント欄によく書き込んでくれていた人で、同じ慶應の学生だったんですね。私のことをとても好きだと言ってくれるので、『こういう人と付き合ったら幸せになれるのかも』と思って、交際しました。でも彼は、私以上に私のブログのコメント欄をよくチェックしていて、私自身は気にならないようなコメントに『あれって、ちょっと春香をバカにしてない?』とかよく言及してくるので、気が滅入ってしまって、すぐ別れちゃったんですけど……」

永子「いくら好きだからといっても、それは気持ち悪いね。出会ってすぐにキスってパターンも気になるけど、一目惚れが多い感じなの?」

はあちゅう「いや、そんなこともないと思うんですが……イケメンにはちょっと弱いかもですね。前の彼氏は山P似で、3年半おつき合いしたんですが、でも結局、価値観が合わなくて結婚までは至りませんでした」

永子「どうして別れちゃったんですか?」

はあちゅう「その人は地方の自動車工場に勤務していて、私のまわりにいる総合職の男性たちとは全然違う感じなんですよ。この人と結婚したら私は一生働くんだろうなとか、でも彼は彼で主夫として家事を頑張ってくれるかもなとか、二人なりの幸せはどんな形なんだろうって、いろいろ想像してたんです。ただ、私の仕事はどうしても東京じゃないとやりづらいので、せめて上京だけはして欲しくて。だから東京に来させるよう、3年間かけてマインドコントロールしたつもりで、彼もちょっとその気になったことはあったと思うんですけど……結局、彼は田舎を選んでしまいました」

永子「その元彼とは年収格差もありました?」

はあちゅう「そうですね、彼のお給料は私の半分くらいだったと思いますが、でも別にそれでもよくて結婚したかったんですけど」

永子「本来、お付き合いする男性には、自分より高い年収を求めるタイプ?」

はあちゅう「できればって感じですね。というのも、“その人の価値観”って収入というか経済観念によって決まる部分が大きいと思うんですよ。私はおいしいモノを食べに行きたいし、ご飯を食べた後は車でゆっくり帰りたい。だけど一緒に食事をした相手が、『タクシーに乗るのはもったいないから、電車を乗り継いで2時間かけて帰ろう』っていう金銭感覚だと、やっぱり我慢が多くなってしまうかなって」

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林永子

1974年、東京都新宿区生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業後、映像制作会社に勤務。日本のMV監督の上映展プロデュースを経て、MVライターとして独立。以降、サロンイベント『スナック永子』主宰、映像作品の上映展、執筆、ストリーミングサイトの設立等を手がける。現在はコラムニストとしても活動中。初エッセイ集『女の解体 Nagako’s self contradiction』(サイゾー)を2016年3月に上梓。

清田代表/桃山商事

恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆などを通じ、恋愛とジェンダーの問題について考えている。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)や『大学1年生の歩き方』(左右社/トミヤマユキコさんとの共著)がある。

twitter:@momoyama_radio