
Photo by Tankboy from Flickr
「避妊と感染症予防のためにコンドームを! って口うるさく言っていくもんね~」宣言を、つい先週したばかりですが、その後「体内にマイクロチップを埋め込んで避妊できる!」という新しい技術が開発された……というニュースが話題になりました。
ピルなどにも使われているホルモン剤がこのチップから毎日投与され、なんと16年間も継続して使えるんだとか。さらには遠隔操作ができるので、妊娠したくなったときはスイッチをオフにすればいい……となると、もうSFの世界すぎてびっくり! でも毎日ピルを飲むのって慣れたとはいえ面倒だし、病院にしょっちゅう行かなくていいのも、大きなメリットを感じます。
アメリカでこのチップが発売されるのは2018年予定だそうですが、「ピルなんて認めたらヤリマンが増える!」というトンチンカンな理由で低容量ピルをなかなか認可しなかったこの国では難しい、実現するとしても時間がかかるのでしょう。女性が手間なく確実に避妊できる方法はいくらあってもいいのに。もし販売されるとしても、高額になるのはイヤですね。収入の差によって身の安全が左右されるのは、あってはならないと思います。
当分は身近な避妊法にはならないにしても、「アメリカではこんな方法もあるんだよ、すごくない!?」みたいな話をしたら、若い世代もオバチャントークに興味を持ってくれるかな、と考えたりもします。先週から年長者年長者とうるさいですが、それもこれも、私自身が「年長者の友人にいろいろ教えてもらったおかげだなぁ」と思うことが多いからです。
私は普段は一般の会社員として生活していますが、そういう“オフィシャル”な場では親しくなる人がいても、なかなか性にまつわる話まではしません。そんなに幅広い年齢の人と出会うわけではありませんが、ちょっと先輩だったり少し上の上司だったりするので、面白おかしい話やちょっとした恋愛バナシはしても、さらにプライベートな事柄である「性」については触れないのです。私には姉もいないし、年上の従妹のような身近な親戚もいないので、「ちょっと上」の人のリアルな話はあまり触れる機会がないなぁという実感があります。
それがバイブコレクターとしての活動をするようになって、少しずつそんな話を聞かせてくれる年上の友人に出会いはじめました。ラブグッズ業界では、性について語ることに対して何の垣根もありません。学校では教えてもらえなくて、家庭でも話題にのぼらなくて、雑誌とかでもあまり触れられない「性教育」とでもいいましょうか。
性病、流産、子宮全摘出…
うっかり性感染症をもらった人の話を聞きました。尖圭(せんけい)コンジローマです。性器周辺にイボのようなものができる病気で、電気メスなどで焼き切って切除するそうです……コワイ!! 実はこの病気の経験者はひとりじゃありませんでした。ケジラミの経験者も何人かいました。駆除してしまえば再発の心配はないとはいえ、あれもツライものらしいです。
また、流産の経験がある人、子供が欲しいのに授からず不妊治療にトライし、今は子供を持たない人生を生きている人の話も聞きました。友人のひとりは、一度目の妊娠が子宮外妊娠で、救急車で病院に運ばれ、赤ちゃんの命が消えてしまったと同時に、本人も生死の境をさまよいました。もちろん、周囲には希望どおり妊娠して無事に出産して、ハッピーに子育て中という人のほうが大多数です。それはそれでとても勉強になりますが、誰もがオープンに語ってくれる内容でもあります。それと比べてつらい経験を話してくれるのは、ほんとありがたいことです。
長い間子宮筋腫に悩まされ、子宮を全摘出してしまった人は、退院後の表情がすがすがしかった! そういえば、過去のあの時も、別のあの時も、彼女が調子悪そうだったのは筋腫のせいだったのかぁと思い至ることがたくさんありました。人には気づいてもらえない。気づかれたくないにしても、それには相当な我慢を要することをひとりで乗り越えるのは、すごくしんどかったことでしょう。子宮をとったことではなく、そこまでの経緯に涙が出ました。
そして、お姉さん世代の人たちだけでなく、もっと上の人の話も聞きたいと思うようになりました。女性の性は年齢によって大きく変化していくし、それが死ぬまで続きます。本で学べることもあるけど、やっぱりリアルなことを知っておきたい。そう考えていて思い出したことがありました。田舎から母が遊びにきたとき、私からふと「お医者さまからオシッコを我慢するトレーニングをしたほうがいい」と言われたという話をしたのです。はい、messyで5月に開催された膣トレコンテストのため、事前に病院で膣圧を測ってもらったときの話です。
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