
夫婦単位では韓国での知名度が圧倒的。 秋山成勲『ふたつの魂 HEEL or HERO』&SHIHO『SHIHO AND GREAT CREATORS』
最近の韓国芸能界では2人の子供が大人気。ただでさえ子供嫌いな私的には、うんざりなのですが、父親顔負けの人気ぶりとあってはスルーもできず、少々困っております。
ひとりはヒップホップ・ユニット、EPIK HIGHのメンバー、タブロの娘、ハルちゃん。そしてもうひとりは通称“ヌルヌル”でお馴染みの格闘家、秋山成勲の娘、サランちゃんです。
かつて大晦日は格闘技を見て過ごすという時代もありましたが、今となっては過去のこと、「秋山成勲って誰?」という方も多いでしょう。在日コリアンとして大阪に生まれ、後に日本国籍を取得した彼は、柔道からプロ格闘の世界に転身し、日韓を股にかけて活躍。格闘界のヒーローとして人気を博しましたが、転向から2年後、歴史に名を残す“ヌルヌル事件”で格闘ファンを震撼させます。
それは2006年12月31日に行われた試合のメインイベントでのこと。秋山のセコンドには“番長”こと清原和博がつき、先方は強面度100%。対戦相手は多彩な技で知られる、IQレスラーこと桜庭和志です。
序盤、寝技に持ち込もうと下半身へのタックルを狙う桜庭。でも、彼は秋山の脚を取ることができず、秋山の脚は桜庭のタックルをすり抜けるようにかわしていきます。何かおかしい……と気づいた桜庭は「滑るよ!」とアピールしながら「タイム」を要求しますが、残念ながら、それは聞き入られません。結果、秋山の猛攻により、第一ラウンド、秋山のTKO勝ちとなりました。
そして後日、「滑るよ」ーーつまり、ヌルヌルの原因が発覚します。桜庭は試合後も「汗の滑りと、オイルの滑り(の違いくらい)わかりますよ」とコメントし、秋山が禁止されているオイルを塗っていると主張。で、試合から約10日後に、秋山は身体にクリームを塗っていたことを認め、試合は無効試合との判定に。ファイトマネーは没収され、彼はこの興行主系の大会への無期限出場停止処分を食らいます。
こうして格闘家としての威信が地に落ち、日本の格闘ファンからは反則野郎とディスられる……そんな彼がその目を向けた先が韓国芸能界だったのです。
翌年3月、彼はバラード「一つの愛」で歌手デビュー。何気に歌もイケるとわかり、スタートは上々です。さらにその3カ月後には、トップアイドルのみが出演を許される大型イベント「ドリームコンサート」に出演し、ご自慢の喉を披露。バラエティにも出演しまくり、俳優業も開始し、今では奥さんのSHIHO共々コリアン・セレブの仲間入りを果たしています。
バナナを食べて2000万円
身につけるバッグもコリアン・スタイル。今どき、このブランドを購入しているのは韓国人か韓国好きの日本人だけ、と言わるほどのイタイ代物、MCMブランドを愛用してるのも泣けてきます。
そんなセレブ夫婦のもとに生まれた娘、サランちゃんも生まれた時からスーパースター。初の単独CM「デルモンテのバナナ」の出演料は2000万円! とも噂され、その一挙手一投足に注目が集まり、彼女のことが話題にのぼらない日はありません。
サランちゃんのお年は現在、3歳。CMでの演技はバナナを食べているだけでとても演技とよべるものではありませんが、かわいらし~いと大評判。笑ってバナナ食うだけで(推定)2000万なのですから、羨ましいかぎりです。
一方、お父さんの演技はその強面な風貌からでしょうか、出演のオファーは偏りがちで、ヤクザ役がほとんどと言っても過言ではありません。JYJのジェジュンがチンピラに扮して話題のドラマ「トライアングル」でも彼に回って来た役はヤクザ。吉本が仕掛ける韓国アイドルグループ、MYNAMEのプロモーションビデオにもヤクザの親分として出演していました。
何も言わずとも、凄みを発する身体はヤクザ役にぴったりなのでしょう。でも、秋山ファンのひとりとして言わせてもらえば、是非、芸の幅を広げてほしいところ。人気度ではサランちゃんに追い抜かれているのですから、俳優としてのステップアップに期待しています。
振り返れば、悪名高きヌルヌル事件がなければ、秋山ファミリーのコリアン・セレブ・ライフはなかったのかもしれません。ちなみに、秋山が没収されたファイトマネーはサランちゃんのCMのギャラとほぼ同額との噂。これも歴史の皮肉でしょうか?
本文中の写真=上)韓国デルモンテのCMは、サランちゃんのかわいさはじけるメイキング映像も人気! YouTubeより 下)秋山氏(左)はアイドルをぼこぼこに殴る役です。MYNAME「Baby i’m sorry」PVより。
今週の当番=佐々木薫
アラフォーのK-POPファン。秋山さんには是非、プロレスに転向してほしいと思っているプロレス・マニア。