
Photo by Powell Burns from Flickr
「日本のディープな場所で働く男女」に注目する本連載。一人目は、 身体改造~ボディ・サスペンションを売りにした女。二人目は ブラックなスカトロマンションで働く女。三人目は、 女装家タレントの花乃こゆきさん。
これまでのラインナップを見ても、読者の皆さんが出会ったことのある職業の方はなかなかいないんじゃないかしら。
期待の4人目は、会員制フェティッシュバーで働く女性。フェティッシュというのは、簡単にいうと『フェティシズムの対象』のことよ。それも、とっても深く崇めていたり、妄信的だったり、異常な性欲の対象物がフェティシズム。そんないわゆる“変わった性癖”を持つお客が集まるバーで、イチ店員ながら女王様としても活躍し、M男たちから崇められている女、ミナミさん(31歳・仮名)から話を聞いてきたわ。
そもそも、「女王様として活躍」なんていうと、「SMクラブとどう違うの?」と疑問に思う読者も多いはず。SMクラブは、SM嬢からのサービスが提供される店舗。男性向けの風俗店という位置づけであり、女性が男性に対してサービスを行なう。S嬢は専用のエナメルのコスチュームに身を包みM男は言葉責めなどのサービスを受ける。S嬢に命令されて自慰したり、ムチで打たれたり縛られたり、アナル責め、噛み付き、ロウソク責め、浣腸、ヒール踏みといった凌辱を味わえる。またエスカレートすると、金蹴り、玉踏み付け、ペニスへの針刺し(痛そ~~)、アナルにバイブを突っ込む……などの身体への武器攻撃での流血プレイなんかのコースもある店舗もあるみたい。つまり、多くのバリエーションが存在し、オプション料金を払えば複数の女王様がプレイに乱入することもある。M嬢は逆にお客に凌辱されるのよ。
ミナミさんの働く会員制のフェティッシュバーでも、そうしたSMプレイはあるけれど、それ以外にも緊縛ショーなどバラエティにとんだ企画をお酒を嗜みながら楽しめるのが特徴。そしてお客さんは男性だけじゃなく、女性でも大丈夫なの。女性客は入場料がものすごく安い。少しハプニングバーと似ているシステムみたいね。マンツーマンじゃないSMクラブ……ってところかしら?
「お店には本当に様々なフェティシストやSMマニアが集まるんだ。男性の入会金は50万くらい。それでも毎回入場料や飲食代で数万円は取られるわけだから、富裕層の人しか来ない。朝まで楽しんでから、そのまま病院に出勤する医者もいれば、『今から法廷です!』っていう弁護士のオジサマとか。散々私に蹴り飛ばされた後に偉そうな顔して仕事しにいくと思うと笑っちゃうよね」
そう話すミナミさんは、柴咲コウ似の細身美女。都心の片隅でひっそりと営業されているというそのフェティッシュバーに勤めようと思ったのはどうしてかしら。
――前は何の仕事をしていたの?
「アパレルブランドの店長だったよ。でもその頃から、友達に誘われて面白半分で客としてフェティッシュバーには通ってた」
――SM風俗のS嬢になろうとは思わなかったの?
「そうだね、風俗っていうのはどうしても抵抗があって。最初はプレイに参加することもなくて、社会的地位のありそうな男が縛られたり痛めつけられてるのを見てストレス発散になってた感じ」
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