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「日本のディープな場所で働く男女」に注目する本連載。今回は、会員制フェティッシュバーで働く、元アパレル店長の後編よ(前編はコチラ)。“変わった性癖”を持つお客が集まるバーで、女王様としてM男たちから崇められているミナミさん(31歳・仮名)。男性客は入会金50万円をポンと払える富裕層の方が多いそうだけど、女性客はどうなのかしら?
――そこにお客さんとして来る女性はどんな子たちなの?
「常連さんに連れられて面白半分で見学に来て、キャーキャー言いながらお酒飲んで見てるだけの子もいれば、緊縛を女王様に習いながら練習してる子もいるし。あとはまぁ、カップルで来て凌辱プレイしながら楽しんでたり」
――男でも女でもいいんだけど、その中でも特に変わったお客様っている?
「SMを『アートだ!』って言って、いろんな角度から間近でずっと見てるおじいさまがいる。芸術家だかなんだかよく知らないけど」
――その人はプレイには参加しないの?
「一切しないんだよね。人を観察して勝手に興奮して帰る。そもそもプレイといっても抜くサービスはないから、プレイって言い方はちょっと違うかな」
――そんな非日常な世界に毎日出勤しているといろいろ感覚が麻痺しそうね。
「麻痺、してるかなぁ……してるかもね。街中で酔っ払いがケンカして流血してたり、女の子が男にビンタしてるのを見ても何も驚かなくなった。最近できた彼氏が一度心配してバーを見に来たことがあるんだけど、私の仕事っぷりを見て一緒に楽しんでたよ」
――ミナミさんも楽しく仕事してるんでしょ?
「最高に楽しいね。ハマったらやめられない。摘発だけは怖いけど」
――最近多いみたいだからそこだけは気を付けてほしいわ。
「ヌキはないとはいえ、踏み込まれたらアウトだね、言い逃れできないよ……そこら中に鞭とか縄とか蝋燭がディスプレイされてるんだもん」
――宣伝とか広告は一切打ってないのよね?
「もちろん。バーと言っても看板も出してない狭い雑居ビルの一室」
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