
今回は怒っています! Photo by Annie Sullivan from Flickr
バイブを集めて試してレビューするしか能のない私ですが、本コラムをはじめほそぼそと思うところを書かせてもらったり、雑誌などのメディアでコメントを求められることがある身として気をつけていることがあります。それは、「女性として、同性である女性を売り物にしない」ということです。
たとえば、以前、「AVを鑑賞して感想を聞かせてください」という依頼があり、その内容が痴漢モノでした。とても困ります。痴漢はまぎれもなく性犯罪です。ひとりの女性として「痴漢モノっていいですね、興奮しました!」とは口が裂けてもいえません。もちろんAV=フィクションなのは百も承知です。でも、メディアで女性がそう発言することで、「痴漢を喜ぶオンナもいる!」と加害者となりえる男性を勘違いさせ、刺激するのがとても怖いのです。
間接的とはいえ、私も加害側になるということです。私にとってはこれが「女性として、同じ女性を売り物にする」ということです。自分の発言にそこまでの影響力があると思っていませんが、「メディアでの発言」とはこうして都合よく“証左”とされることだとも考えています。
痴漢モノとかレイプモノとかでも「フィクションとして/妄想の産物として楽しむ女性」がいることも理解しています。個人の趣味として否定するものでもありません。でもそれは「痴漢されたい、レイプされたい」ということとイコールではありませんし、そうした性犯罪を良しとするという意味でもありません。そこを厳密に伝えればいいだけじゃん……と思われるかもしれませんが、そのニュアンスを正確に汲み取ってくれるかどうかは読み手次第というのは事実です。さらに困ったことに、男性向けの媒体ではしばしばオトコの願望に寄せた書き方をされます。