かつて「今は男女一緒に使えるラブグッズが多いです。2人で一緒に愉しみたいという女性もいますよ」と言ったところ、誌面では「女性は、男性にHな道具を使ってほしくて待っています」となっていて、全然違うし!! と憤ったことがあります。「そういう女性“も”いる」が「女はみんなそう」に変換されているのもおかしいし、「待っている」なんて一言も言っていません。掲載前にチェックさせていただけるところのほうが多いのですが、それもしないまま、男性にとって都合よく曲解した記事をペロッと出されると本当に困るのです。
だから、「痴漢モノとかレイプモノで興奮する」というような発言も、よほどの注意しないと、簡単に男性ファンタジーの中に取り込まれると思うのです。男性が夢を見るためにお金を払っている娯楽媒体で、そう四角四面なことを言うなと怒られそうですが、私個人はそういう場でこそ「同性を売り物にしない」という一線を守りたい。自分に常にそう言い聞かせています。
売り物にされた!
では、女性向け媒体では……? ということになりますが、つい最近、とても不快な記事に出会いました。
・イケメンとしかヤらない女が悪い~逆恨み映画に込められた執念が酷い
・勝ち組男のテストステロンは「レイプホルモン」である? 非モテ卑屈男の極端すぎる主張
・少子化も「ヤラせない女のせい」と結論づけるレイプ肯定派監督の論拠とは?
私と同じく「不快」と感じる人も少なくなく、書き込まれたコメントは他と比べてぶっちぎりの数だし、TwitterなどのSNSでもプチ炎上状態となりました。「考えただけで/表現しただけで性犯罪者」とは言いませんが、女性の人権も尊厳も何もかもを無視して、自分のひとりよがりなルサンチマンを振り回しているとしか思えない発言の羅列は、虫酸が走ります。こうして堂々と歪んだ自説を披露しているのですから、本人にとっては至極、当然のことなでしょう。
そんなもの自分ひとりの中で抱えていてくださいよと言いたいところですが、それに制作費もスタッフも出演者も集まって、作品化されるんだから大変なことです。これをコンテンツとして面白いと感じる人がいるってことですね。絶句します。道徳的に正しいものしか作ってはいけないとは言いませんが、超えちゃいけない一線というものはあると思うわけです。