
Photo by Aditya Doshi from Flickr
暑い日が続きますが、皆様、ご機嫌いかがでしょうか? 日本における猛暑の要因のひとつにフェーン現象があるそうです。それが一体どういう現象なのかWikipediaの説明を読んでもまったく理解できない私ですが、このところ【messy】もホットな炎上案件で盛り上がっていると聞きました。
●勝ち組男のテストステロンは「レイプホルモン」である? 非モテ卑屈男の極端すぎる主張
●少子化も「ヤラせない女のせい」と結論づけるレイプ肯定派監督の論拠とは?
問題となっているのは、ある映画監督によるミソジニー全開なインタヴュー記事です。監督が振りかざす「普通に男として成長をして思春期を経ていれば、女に対して恨みを持たないということはありえないんですよね。女に対する恨みつらみ、というのは“届かない愛”と同じ。愛がひっくり返って恨みになる」という、イソップ寓話の「あのブトウは酸っぱい」方式で見事に醸成された憎悪に、唖然としてしまいました。私も普通に男として成長してきたつもりでしたが、こんな極端な思想にハマってないですもの。「すみません、監督(面識ないですが)、同じ男だと思われたくないです……」と正直に申し上げたくなりました。
さらなる問題は、レイプ被害者に対してムチを打つセカンド・レイプ発言が堂々と掲載されてしまっている、という点。「女子の素直な“ウラの欲望”に迫った本音情報サイト」を標榜するサイトにこんな記事が載っていていいのか、と編集部には抗議のメールが多数寄せられているそうです。
担当の編集者曰く「2ちゃんテンプレ的なミソジニーを本気で喧伝する人間がいるという事実を見ないふりしてはいけないのでは。これはひとつの問題提起として掲載しました」とのこと。その目論見は、炎上という形で問題化されたことによって、ある意味成功しているのかもしれません。しかし、問題提起が主意だったとしても、それがある人の目に入った途端に人を傷つける暴力になりうることに対して無自覚であった点を編集部は素直に反省すべきでしょう。
ともあれ「事実を見ないふりして良いのか?」という問題意識に関しては、私個人も共感すべき点はあります。明らかな問題を見なかったふりをしていても問題は勝手に解決されないですから。ただ、だからと言って、いろいろと理屈を並べ立てて「ミソジニー反対、ミソジニーは悪だから抑圧されても良い!」みたいな直球の批判を展開したとしても「こっちにも表現の自由がある!」なんて反論が返ってきて、対立が深まるだけ……という結果に終わりがちではないでしょうか。
1 2