連載

性欲剥き出しの日本社会を恥じる価値観

【この記事のキーワード】
『グラビア美少女の時代』集英社

『グラビア美少女の時代』集英社

 当連載ではこれまで2回、フェミニズムに関連する話題をお届けしてまいりました。「このライターはフェミニストなのか?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、私としてはそうした自覚を一切持っておりません。あくまで「こういう問題がある」、「フェミニストはこんな議論をしている」というご紹介のつもりで書いており、むしろ、普段の私の振る舞いには、フェミニズム的に批判の対象となるような点が多々あるかもしれません。

 たとえば、私は日常的にAVを見ますし、篠崎愛のグラビアを眺めて癒されています。性風俗産業や買春、あるいは女性アイドルに至るまで「性的な搾取」としてフェミニズムの観点から批判される対象に私はコミットしているのです。

 しかし最近は「日本って、ポルノに対して寛容すぎないか?(鈍感すぎないか?)」という問題意識を抱くことがあります。どの顔でそんな問題意識を持てるのか(あまりにもダブル・スタンダードではないか)という誹りもあるかと思いますが、こんなに性的なものが氾濫している世の中って変じゃないの? と思うわけです。

1 2 3

カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra