話を元に戻します。回春アイテム市場が活況な様子を見ても、死ぬまでセックス系の男性がそうやって、しなびたペニスにリングをはめて無理やり奮い勃たせ、若い女を求めているのが「熟年セックス」なんだなぁという印象はいまだ根強いです。かつてオヤジ系週刊誌では「20代を抱いて死にたい」という特集もありましたしね。20代女子に一笑に付されるのがオチでしょうが、そんないじましい願望をずーっと抱いているのがオトコという生き物なんだと見えてしまいます。
熟年女性も元気いっぱい!!
じゃあ、同年代の女性はどうなんだろう? と疑問に思っていましたが、お盛んな人はお盛んなようですね。知り合いのセックスカウンセラーは、70代のご婦人から「ボーイフレンドができたので、口で彼を悦ばせる方法を教えてほしい」と相談されたそうです。70代にして人生初フェラに挑戦! すばらしいですね。それだけお相手のことが好きなんでしょうね。
また、私自身も青山にあるフェティッシュファッションのショップで打ち合わせをしていたとき、70歳前後とおぼしき、とても上品なご婦人がお店に入ってくるのを見たことがあります。ほんとうに良家の奥さまという雰囲気の方だったので、エロティックなものを販売しているお店と知らずに、間違って入ってきたのだろうと思っていたのですが、何やら店員さんと話し込んでいる様子。あとで教えてもらったところによると、「フェティッシュパーティに出るのが趣味で、衣装を探しているんですのよ」とおっしゃったとのこと。これには心底驚かされました。あんな上品な奥さまが参加するフェティッシュパーティ……さぞかしスノッブな集まりでしょう。
年配の女性を読者層とする雑誌「婦人公論」でも性愛特集が組まれると、毎回注目を集めます。それをまとめたものが、年に一度「快楽(けらく)白書」として出版されるのも、もはや恒例です。web版もありますが、そこではラブグッズが販売されています。種類は多くないのですが、それがいかにも“厳選されたもの”という雰囲気を出しています。これが売れているそうなんです! いや~、熟年女性にも性にアクティブな人、けっこういるもんですね。
ただ、これが熟年夫婦間のセックスに使われていないような気がするのはなぜでしょう? シニア男性は若い子を追っかけ、シニア女性は新たなボーイフレンドを作ったり、自分で満足感を得たり……。その謎を解くためにも、この秋も花盛りの熟年セックス特集をウォッチしつづけたいと思います。いずれ自分も熟年世代になるわけですから。そのとき自分に性欲があるのかないのかは想像もつかないですけどね。
■桃子/オトナのオモチャ約150種を所有し、それらを試しては、使用感をブログにつづるとともに、グッズを使ったラブコミュニケーションの楽しさを発信中。著書『今夜、コレを試します(OL桃子のオモチャ日記)』ブックマン社。ブログ、twitter
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