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西内まりやは、なぜ10代女性の「なりたい顔1位」に選ばれたのか?

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西内まりやオフィシャルブログより

西内まりやオフィシャルブログより

 もはやかなりの旧聞に属しますけれども、『Seventeen』(集英社)の専属モデルとして活躍し、女優や歌手活動もおこなう西内まりやが、最近の10代の女の子たちが選ぶ「なりたい顔」ランキング第1位に輝いたそうです。恥ずかしながら、私、全然この方のことを存じませんで、当コーナーの担当編集者に「最近の女の子はこういう顔に憧れるそうですよ」と教えられ「へぇ〜、今はこんな顔が流行っているんですかぁ」と純度の高いオジサン的リアクションをしてしまいました。

 ローティーン向けファッション雑誌、というよりももはや、若手アイドル女優の登竜門的存在である「ニコラ」(新潮社)のモデルに端を発するそのキャリアは、なんら珍しいものではありません。蒼井優や新垣結衣、能年玲奈もそうですよね。しかし、私のオジサン的リアクションのなかには「これまでにいなかったタイプの顔立ちの方だなあ」という素朴な感想が含まれています。名前は竹内まりやと一字違いだけれども、彼女の顔は非常に個性的ではないでしょうか。

 最近の世に言うキレイな顔立ちとは「目が大きくて、鼻筋が整っていて、ちょっと日本人っぽくない」みたいな傾向があって「美しい顔の元型」は、ある程度共有されているように思えます。それは特に、人気のあるハーフモデルの方々に顕著です。彼女たちの顔が、オジサンにはみんな同じ顔に見えてしまうぐらいで「もう誰が誰かわかんないよ! 今テレビに出ているのはローラなの? マギーなの?」と途方に暮れてしまいます。ローラとマギーの違いがわからないのは本当にオジサンなんでしょうね。

 しかし、西内まりやは、そうした美しい顔の元型からは遠い顔をしています。

 目も特別大きなく、ドングリっぽいですし、鼻も悪い言い方をすれば、もう少しで顔の中心にニンニクがついている、と言われても仕方がない団子鼻です。全体的には少し優香の顔を想起させる、いわゆる小動物系の顔をしていらっしゃいます。もっとも、彼女の身長は170cmもありますから「メチャクチャにスタイルの良いリス」という想像しがたい状態ですけれど。

 ハーフモデルのようにわかりやすくキレイな顔ではなく、西内まりやの顔が10代の女の子から「なりたい顔」として選ばれているのもまた少し不思議です。ORICON STYLEが調査している10代〜40代の女性を対象にした同様のアンケートでは、北川景子が2009年から2013年までずっと3位以内に入り続けていますが、少し調査対象の年齢を広げただけでこんなにも変わるのかと。西内まりやに憧れる10代の世界と、20代以上の女性たちの世界は隔絶されているのでしょうか。

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カエターノ・武野・コインブラ

80年代生まれ。福島県出身のライター。

@CaetanoTCoimbra