このチラシはどういう人たちが作っているのか? 韓国大手新聞のデスクを務めるI氏は話す。
「チラシの出所は、ほとんどが芸能記者。まだ記事にならない段階のスクープが何十万という額で販売されている。彼らにとって、スクープにならなくても、よい小遣い稼ぎになるのでしょう。細部が間違っていたとしても、意外と的を射ているチラシが多いのも、プロたちが書いている証拠です」
火のないところにウワサは立たぬというが、韓国芸能界の記者たちは種火をめざとく見つけて思いっきり、あおる。日本では芸能人周辺の金銭トラブルが紙面をにぎわすことはめったにないが、韓国ではその内幕がすべて明るみに出たり、誤報が飛びまわったりする。韓国芸能人の金銭トラブルが目立つのは、金銭トラブルが多いからではなく、それを見つけて報じる人間が多いからかもしれない。
加えて、ゴシップやウワサが好きな国民性。韓国では悪事は〈100万〉里くらい走ってしまう。基本的に、お金や色恋沙汰に興味がいない人間はいないのだが……。人一倍、他人のウワサ話や視線に気をつけなければならない韓国芸能界は、少し気の毒な環境といえるのかもしれない。
さて、グーグルで〈찌라시〉と検索すれば、さまざまな情報が出てくる。そのうちのいくつかは、韓国芸能界の未来図になるかもしれない。チラシの内容を翻訳機にまわしてゴシップを探すのも、韓流をみるひとつの楽しみ方となりそうである。
■河 鐘基/エンターテイメントから政治まで、韓国の社会問題を広範囲に取材。雑誌やウェブ媒体を中心にライター活動を展開中。K-POPも好きだがAKB48の方が好きという、韓流ライターにあるまじき趣味を持つ。さらに正直に言えば、ローラのほうが好き。
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