元々、垂れ目で彫が深い男ウケする美人顔の上に、色地獄へ簡単に引き寄せられそうな豊満ボディの持ち主というだけでも嫉妬の対象にされそうだが、さらにLOHASな生活で内面からピカピカに磨きがかかっているであろう。ブログの文章からもどことなく知性が漂い、劇団ひまわりの子役時代から叩き上げられた演技力は、爺様に全身を嘗め回される役(映画『あつもの』)を演じても、決してぶれることはない。本人にまったく難なし。彼女に嫉妬した(?)女たちは、マクロビゆえ、全体的にアースな色合いの料理写真を、「なんとなくまずそう」というのが、関の山だったか?
趣味が山登りという聖嬢。趣味の山登りで、キュッとあがった大きな桃尻。その下にある外人のような長い足。日本人離れした体型。顔も含めて全体的に、その地味めな趣向をよしとする私生活もハリウッドセレブのようだ。そういえばマドンナもマクロビにハマり込んでたし。LOHAS生活の第一人者的ご夫婦、器作家の三谷龍二氏と伊藤まさこさん夫妻がブログに登場しているところも、もさらに何か裏打ちされた本物感が。かと思えば、マウンティングという言葉を流行らせたドラマ『ファーストクラス』続編の“沢尻悪女イレブン”の一人として写っていたポスターは、派手なメイクが似合ってゴージャス感たっぷり。妖艶さを醸し出すくすみのない肌は、好物の玄米食の賜物だろう。
トヨエツとの別れ(古すぎてすみません)から、着々とパワーアップしていた聖嬢。素晴らしい。おまけに同じものを食べているせいか、パートナーもお洒落で美しい感じだ。理想の生活を努力で手に入れている聖嬢だが、本人はそれを努力と思わず、好きなことしているだけなのかもしれない。山登りが趣味だという女は心身が健全な気がする。山の美しい空気に触れるうちに、体にいい食べ物を欲するようになるのではないだろうか? 新宿のゴールデン街で、いつもくだを巻いている中年女の知り合いがいるが、酒やコーラは飲んでも、ハーブティーは飲まない。「全粒粉のパスタを作ってみたけど、パサパサでまずくて食べれたもんじゃなかった」とくすんだ顔でのたまっていたが、雑だから、作る工程を飛ばしてしまったのだろう。
食べ物と言えば、東北ロケで同行した出版社CのI社長(42歳)が、草食紳士のようなみかけによらず、出された熊汁を完食しているのを見て、ちょっと「ぎょっ」としたと同時に何となく見直した。もしかしたら人間的に深味があるのでは。あんな臭いものを。当日、風邪気味だったからなのか、出してくださった相手の好意に応えようとした結果なのか。もし、後者だったらかなり見直す。それくらい、食べるという行為は大事なものだと思う。
今回、あの妖艶な洋ものボディ・小島聖から学んだものは、意外にも日々の生活の大切さだった。やはり、美は一日にしてならず。そういえば今回、ご登場の三谷龍二氏といえば木のバターケースが有名だが、他の器もとても使いやすかったし、久しぶりに欲しいなと思って調べたら、原稿を書いている今日(10/14)まで、東京で個展をしていた。数時間前まで買えたはずなのに。世の中には、ちょっとの差で手遅れになることが多々ありますね。残念。
次回は少女隊Forever、安原麗子さんです。
■阿久真子/脚本家。2013年「八月の青」で、SOD大賞脚本家賞受賞。他に「Black coffee」「よしもと商店街」など。好きな漢は土方歳三。休日の殆どを新撰組関連に費やしている。
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