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クソ男が繰り出す謎の“俺プレゼン”の背景に「ボクのことをわかって欲求」?

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桃山商事のクソ男撲滅委員会

「お前は俺の言ってることを全然わかってない!」

 先日、我々が行っている「失恋ホスト」に、3歳上の彼氏に振られてしまった20代前半の女性がやってきました。彼女からの依頼は、「別れてしまったことは悲しいけど仕方ない。でも、彼の言動にはよくわからない部分が多い。せめて納得した上で次に進みたいので、男性心理について一緒に考えて欲しい」というものでした。

 その後、彼とのやり取りや出来事を細かく聞き、彼の言動について考察していったわけですが、彼は別れ際にこんな話をしてきたそうです。

「つき合って1年、君と過ごすのはとても楽しいが、俺も社会人になったばかりで仕事が忙しい。そんな時期に一緒にいると、やがて君を傷つけてしまうだろう。今は仕事に集中したいのでうんぬんかんぬん……」

 これだけ聞けばよくある別れ文句ですね。彼女もすぐ「要するに別れたいってことだな」と察知し、「わかりました。仕方ないけど別れましょう。お仕事頑張ってね」と告げてその場を去ろうとしたそうです。

 もちろん、頭の中では「他に女ができたのでは……」という疑心も湧いたようですが、ここでそれを問うても仕方のないこと。そう腹をくくり、彼のメッセージを正面から受け入れようとしたのですが、彼はなぜか、「お前は俺の言ってることを全然わかってない。ちゃんと話を聞け!」と言って引き留めてきたそうです。ん、どういうこと?

 これって普通に考えて不思議ですよね。彼は「別れたい」と言い、彼女は「わかりました」と了承した。なのに、なぜか彼は「全然わかってない」と引き留めてきた……。彼女としても、ここが腑に落ちないようでした。

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清田代表/桃山商事

恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表。失恋ホスト、恋のお悩み相談、恋愛コラムの執筆などを通じ、恋愛とジェンダーの問題について考えている。著書に『二軍男子が恋バナはじめました。』(原書房)や『大学1年生の歩き方』(左右社/トミヤマユキコさんとの共著)がある。

twitter:@momoyama_radio