ゴシップ

インド人、泥棒、ハム、ギター少年…仮装の思い出と共に「スペアリブの焼き煮」

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昔々。学生時代。
年に一度、仮装をする機会がありました。
ハロウィンではありません。クリスマスです。
何故なのか? いつからか?
それは不明ですが、当時私たちの科では“クリスマスには仮装”というのが恒例となっていました。
みんなくだらないことに手間暇かけてしまう傾向があった上に、
仮装コンテスト投票で優勝した人は飲み代がタダになるという特典までついていたため、みんな熱が入っていました。サンタだのトナカイだの。ペコちゃんだのケンシロウ(懐かしい)だのリアルドラえもんだの。ガンダムもいたかな。
私はなんだったっけな……
最初はインド人、次が泥棒、次がハム、次がギター少年かな。
インド人のときには、ただただサリーのつもりでベッドカバーを身に纏い、ただただ酒を飲んで話していました。

泥棒のときには「ハートを盗む」という自分の中のテーマはあったのですが、シャイなので何も言えませんでした。
唐草模様のカボチャ型のパンツに風呂敷とほっかむりにタイツ、という格好でした。
「アンタなんか自意識和代だ!!」と小学校時代のケンカで言い放った姉が唐草模様の泥棒衣装を徹夜で作ってくれました。
何故そこまでしてくれたのか謎です。
ちなみに姉は「アンタなんか自意識和代だ!!」と言ったことを全く覚えてないそうです。

一番力を入れたのはギター少年でした。
ギター少年とは言っても、路上ミュージシャンのような格好いいものではなく、自分がギターになりました。
段ボールでボディ部分を作り、すっぽりかぶってモジモジ君+着ぐるみ状態にします。
背中から頭上30cmくらいにかけてネック部分があり、凧糸を弦がわりに張って、段ボールに印刷されていた子犬の絵を切り抜き、ネックのトップ部分に貼りました。
絵を見りゃ子犬とわかるのに、わざわざ「子犬」と緑色の漢字で印刷されていたところが気に入っていました。
(元々何が入っていた段ボールだったのか思い出せません)
そして弦の間から顔を出し「私を奏でろ~!!」と嫌がらせを言いました。
歳をとる毎に図々しくなっていたのですね。

力はそんなに入ってないですが、思い出深いのはハムのときでした。
全く仮装ネタが思い浮かばず、考えあぐねていたところ、
「ハムになるのはどうだろう?」と思いました。
私の名字は某ハム会社と同じです。小学生の頃に「お前はハムだ!」と言われ、以来あだ名になっていたのです。
それだけです。ハム会社の回し者ではありません。
ピンクの布を縫い、顔と腕の穴を空けて、綿を詰め、ハムの着ぐるみになりました。
胴体部分の前面には「お歳暮」とマジックで書いた白い布を貼りました。
大した工夫はございません。縫い方もまあザックリしたもんでした。
くだらなさだけで押し通そうと思っておりました。

夕暮れ時。
買い物帰りのおばちゃん。仕事帰りのサラリーマン。学校帰りの学生。
仮装の衣装に着替えた私たちは、そんな帰路につく人たちと一緒にバスに乗り込みます。
一気に乗り切れないので分散して乗りますが、かと言って仮装したみんなとはぐれるとやや恥ずかしいというドキドキする時間でもあります。
4人くらいでバスに乗り込みました。が、夕暮れ時のバスは混み合っていました。
ハムの着ぐるみは綿が詰まっていたのでクッションがわりになって良かったものの、それでも息苦しさを感じ始めていました。

ギュウギュウ。
「え……まだ乗り込む人いるの……」
く、苦しい……

ドン!

「ちょっと!! あなた邪魔よ!!」

おばちゃんに怒られてしまいました。
着ぐるみとは言え、薄い布ですし、綿をぎっちぎちに詰めているわけでもないですし、ちょっと太った人とそう変わらない体積の占め具合だったと思います。
「ひどい! 私……私……お歳暮なのよ!」くらい言えば良かったのかも知れません。
今となってはそんなに萎縮しなくても良かったんじゃないかと思うのですが、その時は私が悪いと思いました。
楽しい→息苦しい→悲しい……
私のテンションはみるみる落ちていきました。

「す、すみません……」

しょんぼりして謝ると横にいた先輩が一言。

「お前そんな格好しとるくせにシリアスな顔して謝んなよ!」

ハッ!!!!

 

(波濤)(波濤)(波濤)(波濤)~ザッパーン~(波濤)(波濤)(波濤)(波濤)

 

……なんだか目が覚めたような気がしました。
くだらないことばかり言う先輩でしたが、このときばかりは正しいと思いました。
「それもそうだな……」と思いながらボーッとしました。
何が「それもそう」なのか説明しづらいですが、
“くだらなさを追求するならその態度は一貫しろ。謝るとしても!”ということでしょうか。
でもそれだけでは言葉が足りないような気がします。
まだわかっていないような気もします。

私に怒ったおばちゃんはムッとしたままでしたが、それ以上何も言いませんでした。

 

~回想・おわり~

 

さてさて。バナー写真はマレフィセントです。
オーロラ姫が生まれた祝いの席に招かれざる客・マレフィセントが乗り込んで放つ第一声「We~ll,well」が好きです。
意味もなくマネしたくなります。

料理は魔女感とお祭り感からスペアリブにしてみました。
調味料に漬け込んだ後、焼くだけでも煮るだけでも美味しいですが、どちらも意外とさっぱりした味わいです。
ここでは焼いた後に更に煮ました。ややコクが出てくれるような気がします。
気がするだけかも知れませんが……好きです。コク。

それでは参りましょう~。「スペアリブの焼き煮

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自意識和代

人の好意をなかなか信じられず、褒め言葉はとりあえず疑ってかかる。逆にけなし言葉をかけられて「なんて率直なんだ!」と心を開くことがある。社交辞令より愛あるdis。愛がなければただのdis。凹んじゃうよ! ラブリーかつ面倒なアラフォーかまってちゃんである。