続いて冊子(※1)からです。
“どれくらいの電力を発生するのかと言いますと、これほど個人差のある生理現象も解剖学的に説明がつかないのですが、一般的に性的な刺激が最も高まった時だと言われています。その頂点がオーガズムだと言われていて、身体全体を痙攣させたり硬直させたり、果てには体の自由が利かなくなってしまうくらい、つまり「感電」を生じさせます”
感電! ジョジョに登場する、スタンドみたいですね(レッド・ホット・チリペッパーでしたっけ)。何か霊的なパワーで特別な電圧が生まれるとか、あくまで比喩とか。それなら話は別ですが、人体のオーガズムは神経の反射によって生み出されるもので、痙攣は筋肉の収縮です。そして〈幸せホルモン〉と呼ばれるオキトシンがドバっと分泌され、リラックスや幸福感がアップ。この過程で、「電圧」が関与しているという話は、ほとんど聞いたことがありません。
しかし冊子ではこの「説明がつかない」点について、
“性的な刺激反応はあまりお金にならず、生命の維持からは程遠いところにあり、プライベートな恥部に属することだから研究されていない。しかしホト(膣)は脳や延髄に影響を与えるくらい、高い電圧の電力を発する”
とフォロー。これもまた、驚きです。性的な刺激反応がお金にならないというお考え。巷にあふれかえるオーガズムネタの数々は、清らかな方の目には止まらないのでしょうか。さらにアカデミック方面の、世界各地から学者(産婦人科医、泌尿器科医、精神科医等)が集まる超有名な「性科学学会」の存在なども、華麗にスルー?
女性を神聖化しつつ、蔑む
さらにHPにはこうあります。
“女性には〈リクツ〉はどうでもいいんです。〈理論〉、それよりも、ちゃんと感じることができるすてきな感覚器官を持っていらっしゃる”
“男は脳で考え、女性は子宮で考えると言われる”
“〈子宮で考える生き物〉って言われているのだし、その子宮で考えることのコントロールをしていただこうとそう考えました。そうしていると〈勘〉が鋭く冴えてくるのです”
いわゆる〈こまけぇこたぁ、いいんだよ!〉ですね。わかります(嘘)。もしくは江戸時代くらいの「女に学問はいらない」的な。何だか女性を敬っているのか蔑んでいるのかよくわからなくなってきたので、気分を入れ替えて具体的な利用法への質問を見ていきましょう。
●男性用のジェムリンガはないの?
開発者の回答は基本的に禅問答のようで、結局何が正解なのか不勉強な私にはわからないことだらけなのですが、“男は独りでエネルギーを得ることができないから、ジェムリンガで活性化した女性器からパワーをもらってね”ということらしいです。ちなみにこんな利用法も報告されています。
“パートナーとの狂おしいまぐあいの夜、その女性に納めていたジェムリンガを、朝、ポケットに忍ばせて、会社に出陣する方が増えてきました。特に重要な会議の日”
「そりゃ出世しますわいな!」と開発者は絶賛していますが、私としては会社員のユーザーさんがお勤め先でうっかりジェムリンガを落とすことのないよう、お祈り申し上げます。膣に入れたバナナを食べる与謝野鉄幹氏のほうが、自宅内で完結しているだけ、まだマシかもしれません。