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バブリ~スマイルと清潔ヌード、80年代アイドル安原麗子の美魔女力

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 現在は、声優やDJなど声の仕事を中心に活動していることにも、妙に納得してしまいました。アイドル時代は、おとなしそうな声とは対照的に、腰をくの字に曲げてジャンプステップをしながら後ろに下がっていく(うまく書けないのでYouTubeなどでご確認ください)など、かなりイケイケモードで積極派。ステージ上から発するファンへの声かけも、さっぱり、きっぱり、お兄さん的。ショートヘアのMIHOより、ずっとボーイッシュ。一生懸命歌い踊っていて、真っ正直で素直な感じ。

 真っ正直で素直……人としては素晴らしい。しかし芸能界で生き残るには、相当苦労が必要だったんじゃないか。そして、その思いはREIKO主演作品『うれしはずかし物語』シリーズを見て、確信めいたものに。

 美人で若い女の子とおじ様の恋物語を描いた作品で、アイドルだったREIKOは、その少年的な可愛さを残したまま大胆に脱いでいる。『ひょうきんベストテン』と同じ空気感で演じているのだ。奇跡的。「撮影中はいろんな葛藤があった」と何かのインタビューで答えていたように記憶しているが、劇中のREIKOは、やはりどこかフレッシュで、ピンク映画のような雰囲気にも関わらず、ごく普通のドラマかのような、清潔感に溢れていた。

 女性の美を語る上で、清潔感は大事だ。「美人だけど不潔、でもいい女」と噂される人は皆無に近い。髪はバサバサ、肌もボロボロな美人を、意外に男は敬遠する。一方、清潔感があって、さらに美人という人は、好かれて当然だと思う。清潔美人であることが必須条件だった80年代アイドルの中でも人気を集めていたREIKO。実はスカスカどころか、ギュウギュウの激戦区だったアイドルたちの中で、世間の記憶に残るのは至難の業だが、少女隊は世間の、特に男の記憶に残っていると思う。

 80年代の女性アイドルは、総じてルックス力が高い。中でもREIKOが残した作品は、本人がどう思っているかはさておき、バブル時代にモテた女の表情や声、ふとした仕草などがわかりやすく反映されている。

 バブル時代というものは数々の功罪を残したと思うが、男が今よりもずっと“いい意味”でオスとしての機能を果たしていたように思う。責任を取る男、出来る男もたくさんいた。そんな働き者のいいオスを奮い立たせる女を、REIKOは見事に演じていた。ハッキリした顔立ちも手伝って、バブル時代に実在した愛人の一人にしか見えない。

 REIKOを見ていると、愛されるためには、意外とさっぱりした感じも大切なのかと参考になる。現代は“雑”と“さっぱり”が一緒くたにされがちであるが、見た目は美しく、女らしく、だけど中身はさっぱり、というのが大事なのだということを、REIKO演じる女は教えてくれる。くったくのないバブリ~な笑顔とともに。しかし、つくづく、いい女だからといって、一線でずっと活躍できるというほど甘いものじゃないのも芸能界。少女隊も思いの外、明るすぎたのがダメだったんだろうか? そういえば、合コンとかでも、変に明るい人ってモテにくいですね。

 次回は、“吉原を炎上”させた大姉御、仁支川(旧:西川)峰子さんです。

■阿久真子/脚本家。2013年「八月の青」で、SOD大賞脚本家賞受賞。他に「Black coffee」「よしもと商店街」など。好きな漢は土方歳三。休日の殆どを新撰組関連に費やしている。

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阿久真子

脚本家。2013年「八月の青」で、SOD大賞脚本家賞受賞。他に「Black coffee」「よしもと商店街」など。好きな漢は土方歳三。休日の殆どを新撰組関連に費やしている。