
Photo by Oscar Jimenez from Flickr
【第一回:言葉と行動に一貫性のない人は要注意!? セックスレスはこうして生まれる!】
【第二回:パートナーとのセックスを拒否する女性側の言い分】
【第三回:パートナーとのセックスを拒否する男性側の言い分】
【第四回:産後のセックスを拒否される妻の苦悩と夫婦間の問題】
セックスコラム最終回は「セックスフルの夫婦」を紹介したいと思います。心理的な説明がないと理解しづらいので、初めましての方は第一回からお読みくださいね。
須坂さん夫婦 結婚15年目/セックスフル
インタビュー当日、お願いしていないにも関わらず、旦那さんも一緒に参加してくれた須坂さん夫婦。今までの方々は、パートナーが同席しないように自宅以外か、パートナーが家にいない時間を指定されていたにも関わらず、須坂さんは日曜日の昼間に私と編集さんを自宅に呼んでくれました。
結婚15年目にしてセックスフルでラブラブな結婚生活を送っているお2人ですが、付き合ったばかりの頃はセックスが全然うまくいかなかったそうです。
夫の博さんは商社勤務の40代で仕事は激務だそう。妻のミキさんはパート勤務。2人の間には、13歳、10歳、4歳の子供がいます。
――付き合い出した時からセックスが上手くいくまでの経緯を教えてもらえますか?
ミキ「最初は、旦那のサイズが大きすぎてすごく痛かったんです。彼もセックスがしっくりこないから別れる気になっているのを感じたので、ちゃんと話してみたんです。『終わってから、すぐにシャワーに行くのはどうなの?』とか他にも気になったことは、セックスの最中でも言いました。『この角度いいね。今までのはちょっと痛かったけどね』とか。もちろん言いづらかったし、恥ずかしかったですよ」
――博さんはセックスが上手くいかないことについてどう思っていました?
博「僕もセックスが上手くいかないことに悩んでいました。潤滑ゼリーを試したりしたけど駄目で。お互い何となく不満が溜まっていましたね。で、ある時『安全日だからコンドームなしでしてみようか』ということになって試してみると、お互いとても気持ち良かったんです。変な話、それが結婚のきっかけになりました。男も女と同じで、セックスのことで言いたいことはあるけど、なかなか言えないんです。拒絶されるのが怖いんです。でも妻は今まで付き合ってきた女性と違って何でも話せました。結婚を決めたのも“ここまで心をオープンにできるヤツはそういないだろう”と思ったからです。結婚生活って数十年続きますよね。夫婦の間でオープンな話し合いがなかったら、数十年我慢することになる。だとしたらセックスも含めて、どんなことでもちゃんと話せる相手がいいと思ったんです。彼女の偉いところは問題を先送りにしないとこなんですよ」
――話し合いの後、すぐにセックスは良くなりました?
ミキ「その後も子宮内膜症だったり、妊娠と帝王切開だったりがあって、痛くてセックスどころじゃなかったです。旦那を受け入れるようにしたいけど痛くて……すごい焦りました。セックスレス=夫婦の危機だと思っていたので、そこで危機感を持たずに『まぁいいや』と先送りしていたら、夫婦は駄目になると思っていました。夫婦の関係性って、努力しないとすごくもろいものだと思うんです。なので身体の状態を夫にちゃんと話し合いながら、いろいろ工夫していましたね」
――博さんに危機感はありましたか?
博「ありました。なので、コミュニケーションを取るように心がけましたね。僕の仕事が忙しくて、帰宅が深夜1時になることもあるんです。でも、女性ってその日にあったことを旦那に話したいんだと思うんですよね。うちの妻も僕が帰宅するまで待ってくれているんです。そして愚痴だったり、他愛もない話をしてきます。正直疲れているから勘弁してって思う時もあるけど、不満が溜まるだろうしちゃんと聞きますよ。朝6時起きなんですけど、深夜3時くらいまでは寝る間を惜しんで寝る前の会話を習慣にしています。時間の共有が気持ちの共有になる、そしてセックスへ繋がっていくのかなって思います」
――夫婦の間で他に意識していることはありますか?
博「お互いにパパ、ママと呼ばないことですね。ママと呼ぶとどうしても自分の母親みたいな気持ちになるし、大袈裟かもしれないけど近親相姦みたいな気持ちになる。妻には『女』でいて欲しいという気持ちも込めて、名前で呼んでいます。あと年に1~2回、子供を預けてデートするようにしています」
ミキ「私は喧嘩になってもいいから、何でも正直に話すようにしています。他の人の話を聞いてると、その時に直してくれないと許せないという人が多いんですけど、その時わからなくても数年経ってから解決すればいいか、という呑気さも必要だと思うんですよね。白黒つけるみたいな喧嘩の仕方だけだと、溝が出来て離婚しちゃうってケースも多いと思うんです」
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