多分いま芸能界で一番アツい男・市原隼人(26)が、沖縄の海で大物を釣り上げた。23日、日曜の夕方のゆる~い時間帯に放送された釣り番組『ニッポンを釣りたい!~旨い魚ここにあり!~』(フジテレビ系・TSSテレビ新広島制作)に出演し、体長3m40cm・174kgの超大物クロカジキと死闘の末、見事に獲物を仕留めたのである。
イッチーはアツい。いつも筋トレをしている。地元の仲間とつるむ。月を愛でる。彼のモノマネをする芸人・花香よしあき(33)に、「役者を馬鹿にしてなめてるとしか思えない」とブログで咬みつく。咬みついた後、直接対峙する時間をもうけて二時間に及ぶトークセッションをし、最後は固い握手で和解した花香とイッチーだが、「中途半端な気持ちでやんないでください。やるときは全力でやってください」と熱のこもったエールを送られた花香は、今は「命かけて一生懸命」モノマネをやっているという。シャッ!
アツい男といえば武井荘という新鋭もいるが、イッチーの場合「ネタ臭」が皆無なところがすごい。テレビなのに、笑わせようという魂胆がまるでない。なんてことない休日夕方の番組にもかかわらず、年末に放送される、マグロに命とプライドをかけたマグロ漁師たちと、その熱量はほぼ互角だったようにすら見える。
5月某日、イッチーは番組スタッフとともに沖縄は座間味島に降り立った。初日から漁船に乗せてもらい、士気を高めるイッチー。翌日、じっとカジキがかかるのを待つも、なかなかヤツは現れない。その夜、撮影に協力してくれているカジキ漁師たちと酒を酌み交わし、「カジキ漁はチームワーク。みんなで釣る喜びがあるんだ」というアツいカジキ漁論に、イッチーは大きくうなずく。
そして大時化に見舞われた三日目。ついにカジキがかかった!! しかし突然の出来事に戸惑い、声も出せずすぐに動くことのできなかったイッチー……カジキをみすみす逃してしまった。イッチーは深く反省し、自分自身を責めてうなだれる。悲しきBGMとナレーションで、失望感を大いに盛り上げる演出。この日、二度目のチャンスは訪れなかった。
さあ、決意の四日目。……というか、イッチー、この番組の沖縄ロケに四日間も費やしている。「自分、中途半端なところで帰るわけにはいかないんで」という本人の気合がうかがえる。おそらくこの男、釣れるまで東京には戻らないだろう。視聴者もハラハラし始めたが、この日は前日までとうってかわって快晴、波も穏やかな絶好の日和だ。両手を合わせて目を閉じ、船上で祈りを捧げるイッチー。昨日とは違い「ウヤッ!」といい声を張り上げる。
その時は突然やってきた。海の王者、カジキが右の竿にヒット!! 300m後方で跳ねる巨大カジキ。イッチーは今度は誰よりも早く動き、50kg台だという自身の倍以上もあろうカジキと必死の格闘を繰り広げる。
「コイツの顔見てぇ早く。ずっと待ってた」
40分以上もの真剣勝負を経て、カジキはようやく船上へ。泣くだろうな、泣くだろうな……と視聴者が予想するより早く、イッチーは男泣き。船長や漁船スタッフらと抱擁し、「ほんとに、信頼出来る人がいたから」「釣れて良かった」と仲間を労う。やっぱりこのアツさこそが男・市原隼人の魅力である。
これまで芸能界で「釣り男子」といえば、梅宮辰夫(75)と松方弘樹(70)を頂点に、反町隆史(39)や江口洋介(45)、さらに大物釣りを得意とする佐々木主浩(45/是非ブログを見て!)や、若手では小池徹平(27)に杉浦太陽(32)、嵐・大野智(32)などかなり多くの男が名乗りをあげているが、イッチーは「第二の辰兄ィ」に一歩近づいたと言えるだろう。そういえば『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)の芸能人チキチキ釣り選手権出場時も、かなりアツかった。ちなみに花香も釣り好きなので、この番組でのイッチーのモノマネを今後披露することは間違いない。
(文=天秋あゆみ)