
Photo by Kari Sullivan from Flickr
〈有機栽培(オーガニック)〉と聞くと、よくわからないながらに、なんとなく体にいいような気がします。しかしそれを全力でディスる祭りがありました。いやはや世の中には、いろいろな世界があるのですね。
その祭りを知ったきっかけは、胃もたれで食欲がなかったのでガリガリ君をかじっていたとある日の午後2時。インターホンが鳴り、宅急便かと思って受話器を取り上げると、どうやら何かの勧誘のよう。そして「食べ物の力で、薬に頼らない健康づくりを~」と語り出すではありませんか。たしかに私はいま、胃薬ではなくガリガリ君によって不調を解消しようとしている。
……のはさておきで、受話器の穴から異界の香りがふんわり漂ってきます。牛乳や新聞なら「結構でーす」で終わるところですが、これはと思い「スミマセン、いま手が離せないので、パンフレットとかありましたらポストに入れておいてください」とお願いしてみました。そして夜に回収しにいくと、ポストに入っていたのは〈自然栽培フェア〉なる催しのチラシ。
このフェアで言われる自然栽培とは〈自然農法〉のことのようで、不耕起、無除草、無肥料、無農薬などが特徴です(厳密には自然農法と自然栽培には、細かい違いがあるようですが)。流派によっても手法が異なり、EM菌を使ったり人力による除草はOKとするなどさまざまですが、どうやら土や体から〈毒を出す〉という発想があるようです。あれ、もしかしてコレ、根っこの部分で冷えとり健康法や布ナプの世界とどこかで繋がっているの……?
このチラシを投函していったのは、いわゆる〈手かざし〉系の宗教団体。教団の活動を紹介しているパンフレットもなかなか興味深いものがありました。自然治癒力を活性化させる〈じょうれい(手かざし)〉によって、
・初期検診で診断された前置胎盤が後期には位置が正常に
・高熱が出ても薬を飲まずにいられるように
・医者から手術が必要と言われた骨折も完治 etc……
驚きの効果があったという体験談が掲載されています。はい、たしかにどれも見事に自然治癒……ですね? まあ、信仰に対してどうこう言うつもりはありません(でも病気の放置はほどほどに)。何はともあれフェアに足を運び、自然栽培=自然農法の世界にわずかでも触れてみようではありませんか。
自然農法礼賛イベントに潜入!
10月某日都内某所。青山のファーマーズマーケットとまではいかないまでも、そこそこオシャレな雰囲気で、農作物を販売するお店がズラリ。
「はい、700万円!(お釣り)」
「美味しく食べてくださいね!」
フレンドリーな接客の店が多く、和気あいあいとした雰囲気です。現地で合流した友人I氏は「もっと目がイッちゃってる人がいるかと思ったけれど、意外と普通ですね」と、残念そうでしたが。
にんじん(2本)150円、兼六芋(3個)300円、稲(1束)1000円。稲の相場はよくわからないけれど(使用法もよくわからないけど)、野菜はまあオーガニック系に比べれば良心的とも思える値段かな。野菜が全て〈泥つき〉なのは、いかにもって感じですなー。そんなことを考えながらブラブラと出店を冷かしていると、小瓶を2つ手にした売り子さんに出くわしました。